金正恩氏、トランプ氏当選後初のメッセージ「戦争準備完成に総まい進…核武力強化は不可逆的」(2)
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「金委員長の今回の演説はロシア派兵に対する正当化・合理化論理を相当に含んでいる。近く派兵の事実が住民らに公開される可能性にまで備えて波紋を最小化しようとする事前の布石とみられる」と話した。 金委員長が「米国と西側がウクライナを突撃隊として前に出し広げているロシアとの戦争を徹頭徹尾実戦経験を伸ばして軍事的介入範囲を全世界に拡大するための戦争とみなければならない」として近代戦の様相と実戦経験、近代化した武器適応に対する必要性に関心を見せたのもこうした分析を裏付けるものだ。 ◇核「第2の使命」また威嚇 金委員長はまた、有事の際の先制核使用の可能性にまで間接的に言及し韓米に向け威嚇水準を一層高めた。 「核武力強化路線はすでにわれわれにとって不可逆的な政策になって久しく、いま残ったものはいますぐにでも核武力が戦争抑止の使命と第2の使命を遂行できるようさらに完ぺきな稼動体制を整えることだけ」としながらだ。また「核武力を中枢にする国の自衛力を限界なく、満足なく、不断に強化していくだろう」と強調した。 金委員長は2022年12月の年末労働党全員会議で「核武力は戦争抑止と平和安定守護を第1の任務と考えるが抑止失敗時に第2の使命も決行することになるだろう。第2の使命は明らかに防御ではない違うもの」と明らかにした。核武力法制化などを通じて明らかにした有事の際の核先制攻撃使用意志を再確認したものだった。 統一研究院のオ・ギョンソプ研究委員は「金委員長がトランプ氏に向けて自分たちの核兵器高度化が引き返せない水準に上がった点を強調したもの。自分たちの目標である米国との核軍縮交渉に向け次期米政権の対北朝鮮政策転換を誘導しようとする側面もあるとみられる」と話した。 これは北朝鮮住民の対南敵がい心を鼓吹させ北朝鮮の体制に対する不満を外部に向け、2つに分かれている韓国社会を揺さぶろうとする心理戦の一環かもしれない。さらには来年の労働党創建80周年と5年目に進入する国防・経済5カ年計画の成果を追求するために軍心をとらえるための側面もあるというのが専門家らの分析だ。 一方、北朝鮮が18日に韓国に向けごみ風船散布を再開すると韓国軍当局は北朝鮮に向け強力な警告声明を発表した。韓国合同参謀本部はこの日午前に公報副室長名義の警告声明を通じ「北朝鮮の行為は限度を超えており、今後発生するすべての事態の責任は北朝鮮にあることを改めて厳重に警告する。わが軍の忍耐心をこれ以上試すな」と明らかにした。 韓国合同参謀本部は「韓国軍は北朝鮮がこの日明け方約40個のごみ風船を飛ばしたものと識別した」と明らかにした。北朝鮮のごみ風船散布は先月24日から25日ぶりで、今年に入り31回目だ。