新人当たり年でのデビューはドゥーハンにとって重圧? しかしアルピーヌは心配せず……根拠にピアストリの育成成功例
アルピーヌはF1最終戦アブダビGPで、今季限りでチームを離脱するエステバン・オコンに代わり、来季からのレギュラー参戦が決まっているジャック・ドゥーハンを起用する。これについてチーム代表のオリバー・オークスは、ドゥーハンはデビューに向けてしっかりと準備ができていると語った。 【動画】角田裕毅、インディカーを初ドライブ 2輪ロードレース界のレジェンドであるミックを父に持つことでも知られるドゥーハンは、昨年のFIA F2で好成績を収めた後、今季は旧型F1マシンでみっちりテストを行なうことに専念してきた。今年は急遽参戦したオリバー・ベアマン(フェラーリやハース)やフランコ・コラピント(ウイリアムズ)の活躍で新人の“当たり年”とも言われており、ドゥーハンへの期待値も自ずと上がってしまうが、オークスは彼ならそれを乗り越えられるはずだと期待している。 「ああいう状況でF1に乗ることになったドライバーたちに評価を下すことは簡単ではないだろう?」とオークスは言う。 「問題なのは、ベアマンが(フェラーリに乗ったサウジアラビアGPで)上げたハードルが驚異的だったということだ。彼(ドゥーハン)には素晴らしい才能があると思うが、モンツァでのキミ(※イタリアGPのFP1でアンドレア・キミ・アントネッリがメルセデスから出走)が経験したようなプレッシャーがあるだろう」 「最終的にはジャックがそれを受け入れるしかない。彼はプロフェッショナルなのでそこに対処できると思う。FP1、FP2と走っていけば、次第に週末に慣れてくるはずだ」 オークスが主張するのは、若手ドライバーにとってのTPC(旧車テスト)の有用性。かつてアルピーヌの育成ドライバーだったオスカー・ピアストリも、F2を卒業した翌年のF1浪人期間はドゥーハンのようにTPCに専念したが、紆余曲折あってマクラーレンからF1デビューを果たすとすぐに才能の片鱗を見せつけた。 またオークスは、これまでドゥーハンがアルピーヌのガレージでチームと過ごしてきたこともデビューに向けて役立つだろうとして、こう付け加えた。 「このプログラムは彼のためによく練られたものだと思っている」 「このチームはピアストリの一件であまり信用されていないかもしれないが、若手ドライバーの育成とその準備において彼らは非常に優秀だ」 「ジャックも(ピアストリと)同じ道を歩んできた。彼はガレージで我々と長い時間を過ごしてきたが、無線を通して私やフラビオ(ブリアトーレ/チームのアドバイザー)の話を聞き、意見も出してくれる。だから準備はできているはずだ」 なお、ドゥーハンはアブダビGPではリザーブドライバーとして割り当てられたカーナンバーである61番を使用するが、来季からはかつてキミ・ライコネンが使っていた7番が空きになることに伴い、7番を使用する。
Jake Boxall-Legge