澤のなでしこ監督誕生は2023年?
現役引退を表明した日本女子サッカー界のレジェンド、澤穂希(INAC神戸レオネッサ)が17日に東京都内で記者会見。引退後の進路のひとつとして、指導者への転身を示唆した。 かねてから澤は、自らが指導者を務める姿をやんわりと否定していた。 「自分は感覚でサッカーをするほうなので、指導者には向いていない。子どもが好きなので、サッカースクールなどのお手伝いができればとは思っていますけど」 しかし電撃的な引退表明から一夜明けたこの日は、これまで繰り返してきた言葉を大きく変化させている。 「現役のときは『指導者はないな』と思っている部分もありましたけど、引退してからはもしかしたら『指導者をやりたい』となるかもしれない。そのときの気持ちを大切にしたいと思います」 今年のプロ野球では、現役を引退した読売ジャイアンツの高橋由伸外野手がすぐに監督に就任した。しかし、サッカー界では現役引退後すぐに指導者を務めることはできない。 日本サッカー協会(JFA)が発行する公認ライセンスを、12歳以下の選手・子どもたちに対して指導を行うための「C級」から順次取得していかなければいけないからだ。 たとえば「C級」のライセンスを取得する場合は、技術・戦術理論やコーチング法を学ぶ講義を合計13時間、ボールタッチやボールを奪ってからシュートにもち込む実技などを合計22時間、それぞれ受講しなければならない。 ユース年代以下の指導に必要な「B級」を経て、取得するライセンスが「A級ジェネラル」になって、初めてなでしこリーグのクラブの監督を務めることができる。ちなみに、「B級」を取得してから1年以上の指導実績がなければ「A級ジェネラル」を受講できない。 さらに、なでしこジャパンの監督を務めるには、最上位のライセンスとなる「S級」が必要となる。受講そのものが狭き門で、日本サッカー協会の技術委員会が「A級ジェネラル」の取得者から原則として毎年20人ずつ選考する。 国内短期講習会や指導実践試験、さらには海外プロクラブ及びJクラブで合計3週間以上のインターンシップ研修を積んだうえでのリポート提出と、カリキュラムは多岐にわたっている。 Jリーガーの場合、現役生活と並行しながら「C級」や「B級」のライセンスを取得するケースが少なくない。しかし、現役中はサッカーに集中するスタンスを貫いてきた澤は、いっさいのライセンスを取得していない。