「九分九厘負け」からPK戦14人目で制した札幌大谷・清水監督「こういうことが起こるのが選手権」
29日に行われた第103回全国高校サッカー選手権大会・1回戦で寒川(香川)にPK戦の末に勝利した札幌大谷(北海道)の清水隆行監督が試合後メディア取材に応じた。 札幌大谷は53分にFW真浦劉のゴールで先制するも、後半アディショナルタイムに寒川のDF藤原康騎に痛恨の同点弾を許し、勝負はPK戦までもつれ込んだ。両チーム7人目まで全員が決めたあと、先攻の札幌大谷8人目が失敗。ただ、後攻の寒川も決められず、そのまま11人全員が蹴り終えて、2巡目に突入。その後、先攻の札幌大谷12人目がGKにセーブされるも、後攻の寒川が再び失敗。最後は14人目で札幌大谷が成功、寒川が失敗し、計28人が蹴った壮絶なPK戦に決着がついた。 1回戦から緊迫した展開になった札幌大谷の清水監督は、「練習もしていますし、GK高路地琉葦はPK戦で負けたことがないので、落ち着いて見ていました」と守護神への絶対的な信頼を語りつつも、「うちが先にPK戦で2回外していますし、試合の展開的にもアディショナルタイムに追いつかれてPK戦に入ったので、負けてもおかしくない試合でした」とコメント。「選手権はやはり簡単ではない」ことを改めて痛感させられたという。 「寒川さんもPKをかなり練習しているなという印象でしたし、試合の流れ的にうちが九分九厘負けのなかで、こういうことが起こるのが選手権なんだなと思います。試合の内容自体は悪くなかったと思いますが、決めるべきときに決めないと、今日のようにセットプレーで追いつかれてしまうので」 接戦を制して初戦を突破した札幌大谷だが、2回戦の対戦相手は優勝候補の大津(熊本)。高円宮杯プレミアリーグ王者は初戦で福井商(福井)に4-0で完勝し、危なげなく勝ち上がってきた。難しい試合となることが予想されるが、清水監督は「ベンチのメンバーも含めてPK戦の舞台を楽しめていたので、一体感はあったと思います」とチームの雰囲気への手応えを語り、「(大津は)高校年代のチャンピオンなので、『対策をしたところで』という部分もあります。自分たちの良さをどれだけ出せるかを意識して、相手を分析して試合に臨もうと思います」と、“プレミア王者”撃破への意気込みを語った。 2回戦の札幌大谷対大津は、12月31日14時10分から『県立柏の葉公園総合競技場』で行われる予定となっている。
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