だまっていても勉強をする子どもは、幼児期の「好奇心」のおかげ? 脳科学に基づく、好奇心を育てる生活習慣とは
著書『「賢い子」に育てる究極のコツ』を出した2016年当時から“三つの秘密道具”をあげていました。息子が中学生になった今、それに一つ付け加えるなら、やはり読書ですね。幼いうちから本が好きになれば語彙力がどんどん伸びるでしょうし、中学受験にも影響してくると感じています。 中学受験の国語では、物語を読んで主人公の心情曲線を考える問題がよく出題されます。普段から小説を読んでいれば、主人公の気持ちを想像する力が自然と育まれます。また、論説を読むと、「何について論じているか」「この説にはどんな条件があるか」など、文章を俯瞰(ふかん)的に読む力が養われます。読書は子どもの力を伸ばすうえで“最強”といっても過言ではありません。 ――漫画より文字だけの本のほうがいいのでしょうか。 漫画を否定する必要は全くないと思っています。学術要素のある学習漫画は、ダイレクトに勉強になります。漫画で歴史や科学に触れておくと、授業で習ったときに頭に入りやすくなるでしょう。ただ、漫画は絵によって登場人物の心情が見えますから、想像力を育むという点では、活字の本がより適していると言えます。 また、電子書籍と紙の本とでは、やはり紙の本のほうがいいと思います。デジタルデバイスが発する透過光より、紙の反射光のほうが目が疲れにくいですし、紙の本が積み重なっているのを見ると「自分で読んだ」という自信につながるからです。 ―――子どもが読書習慣を身につけるために、親はどのように関わるとよいでしょうか。 幼児期から絵本の読み聞かせを続けていると、そのうち一緒に並んで本を読むようになります。やがて子どもが一人で読書するようになりますが、読書をする空間と時間を共有することが大切です。子どもは大人を模倣して育ちますから、親が本を読んでいると自分も読もうという気になります。わが家では、就寝前の30分は読書するという習慣を、受験直前まで続けました。