CEOに聞く 水産界のアマゾンを目指す―― 八面六臂株式会社
――なぜ、このサービスを始めようと思ったのですか? もともとは大学を卒業して銀行に就職しました。当時は、ちょうどメガバンクの合併の時期で、その渦中にいて、社会の裏も表も見てしまった感じで、ちょっと水に合わないなと…。それでベンチャーキャピタルへ転職したり、起業したり。でも、うまくいったりいかなかったりでした。それで30歳のときに再度、自分で事業をやっていきたいと決意して、水産の仕事を選びました。候補はいくつかあったのですが、忘れました(笑)。業界的にIT化されていない、ということや市場規模が大きいこと、iPadなどのデバイスや通信インフラが整っていたことなど、勝ち筋が見えていると思えたところですね。最初に起業したとき、同じビジネスは考えられなかったし、うまくいかなかったでしょう。今だからできたサービスだと思ってます。 ――このサービスをどうしていきたいですか? 質問なんですが、ニシンの旬っていつかご存知ですか? 実は初春が旬なんですが、それって昔はみんな知っていた文化なんです。そういう文化が失われていっているので、それをなんとかできたらいいな、と思っています。僕たちはIT業界の中でもっとも鮮魚に詳しく、鮮魚界でもっともITに詳しいと自負してます。僕たちが鮮魚界をけん引することで、魚の食文化に対する意識を向上させる手伝いができたら、うれしいですね。あと、ビジネスとしては、市場規模3兆円なので、2016年までに0.1%の30億円(年商)、2020年までに10%の3000億円を目指したいですね。 (取材・文/中央大学3年 原口友希) ■八面六臂株式会社(ハチメンロッピカブシキガイシャ) 2007年5月に設立。鮮魚に特化した水産卸売販売。当初は、水産業ではなかったが、ピポットし2011年4月から水産業として、サービスを開始し現在に至る。事業拡大のため、採用活動なども活発に行っている。公式サイト ■松田雅也(マツダ・マサナリ) 八面六臂株式会社代表取締役。京都の大学を卒業し、2004年にUFJ銀行に入行もメガバンクの合併などの影響で2005年に退行。その後、ベンチャーキャピタル、起業、情報通信会社役員などを経て、2011年4月より現職。