天皇杯決勝が示す「日本サッカーの大変化」(3)71年ぶりの顔合わせとJ1優勝争い、スタジアム施設が表す「西高東低」化と「また減る」J空白県
■「伸びしろが大きい」西日本のクラブ
新スタジアム完成によって、サンフレッチェ広島は観客動員数を大幅に増やすことに成功した。 20世紀末から21世紀初めにかけてドイツ・ブンデスリーガの観客数が大幅に伸びたのは、専用スタジアム化が進んだことが原因の一つだったことはよく知られている。今後も、西日本のクラブには伸びしろのようなものが大きいのではないだろうか。 そして、昨年と今年のリーグ戦、カップ戦を通じて西日本勢の台頭が感じられるのだ(YBCルヴァンカップの決勝も、名古屋グランパス対アルビレックス新潟と、関東勢以外の対戦となった)。 日本サッカーをさらに強化するためには、Jリーグクラブが全国の都道府県にあまねく立地し、各地の貴重なタレントを見逃さずに、育成の舞台に引き上げていく必要がある。 そうした意味でも、西日本のクラブが活性化することは歓迎すべきことであろう。日本フットボールリーグ(JFL)で準優勝を決めた高知ユナイテッドFCが、12月上旬に行われるYSCC横浜とのJ3・JFL入れ替え戦に勝利すれば、高知県初のJリーグクラブとなり、「Jの空白県」がまた一つ減る。 関西対決となった天皇杯決勝は、そうした西日本勢の台頭を象徴するような試合でもあったのである。
後藤健生
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