子どもが発熱「37.5度の壁」で離職も…病児保育の利用率は約“3割”なぜ広がらない?
日テレNEWS NNN
子どもが発熱。でも仕事を休めない…そんなときに頼れる「病児保育」ですが、利用率は3割にとどまります。事前に紙で利用登録が必要なうえ、当日の朝は電話での予約窓口が混み合うなど、利用のハードルの高さがひとつの原因です。 *Podcastできく*【37.5度の壁】病児保育を広げるため起業した産婦人科医にインタビュー|TalkGender 産婦人科の園田正樹医師は、この状況を変えるべく、起業して、予約をデジタル化するサービス「あずかるこちゃん」を提供しています。
■「めちゃくちゃリーズナブル」親の助けてほしいを救う病児保育
報道局ジェンダー班 庭野めぐみ解説委員: 寒くなっていますし、全国で具合が悪くなっているお子さんも多いと思います。 社会部 野中祐美記者: 保育園に預けられるかの目安の体温が37.5度ということで、それを超えたら職場へ電話やほかの兄弟の送り迎え、誰がいつ病院に連れていくかなど、いろいろと手配をしなければいけなくなるというのは、どのご家庭でも経験されていると思います。 私は3人子どもがいるのですが、まだ小さく、特に息子がすごい頻度で発熱するんです。元気ではあるものの、発熱を何度も繰り返し、今度は娘が発熱ということがエンドレスに続くわけです。それにより、会社に申し訳ないと思いながら、ずっと出社できない状況が続きます。 親として寄り添ってあげたいという気持ちはありますが、この生活を続けていると自分の体力と気力もだんだんと尽きてきて…この悪循環、一体どうしたらいいの!?と。 庭野:そういう叫びを先生の事業で解決しているということですが、病児保育とはどういうものなのでしょうか? 園田正樹医師: お子さんがどうしても風邪をひいたり、熱がでたりというときに、保育園や小学校にはいけず、親が仕事を休んでみるというのが一般的だと思いますが、そうした状況のお子さんを看護師や保育士が病児保育室という場所で親の代わりにみてくれるという事業です。 治るまで2、3日かかるので、その間連続で利用して、元気になったらまた保育園や小学校に行くという形です。だいたいクリニックや病院に併設されていて、2つ3つ部屋があり、定員が4名から6名という規模のものが全国2000か所ぐらいあります。 庭野:費用面はどうでしょうか? 園田:自治体によって全然違うのですが、概ね1日1000円から2000円ぐらいです。 福岡県や宮崎県では無償化されています。保育園を休んでもお金が返ってこないので、保護者としては二重の負担になります。そこを解決したいと、病児保育の無償化はいろんな自治体で始まっています。 2000円で8時間お願いするとなると、1時間300円ほどで病気の子どもをみてもらえるわけですから、めちゃくちゃリーズナブルなんです。 野中:ベビーシッターの費用を考えると、どれだけありがたい制度なのかわかりますね。