斎藤知事めぐる疑惑 パワハラは「あったという確証までは得られず」 物品受領は「誤解生むケースあった」 内部調査結果受け“3つの改善策”を発表
兵庫県の元県民局長が今年4月に行った公益通報について、きょう11日、県の内部調査の結果が明らかになりました。疑惑として浮上していたパワハラや物品の受領などは認められたのでしょうか。
■物品の受領は「誤解を生むケースがあった」 県の内部調査結果が明らかに
元県民局長が公益通報を行ってから約8カ月。11日、内部調査を続けていた兵庫県はこう結論づけました。 (財務部県政改革課 原晃課長)「まず贈答品に関する通報につきましては、企業等からの贈答品の受領はこれまで慣例で判断されてきたと。個人の判断に委ねられる余地があり、知事の意図しない贈答品の受領につながったケースが確認されたと」 斎藤知事が今年7月までの約3年間で企業などから受け取っていた物品の数は少なくとも137。ただ、その中には“貸与”か“贈与”なのかはっきりせず、誤解を生むケースもあったと指摘しました。 (原課長)「貸与を装った贈与ではないかと、そういった誤解を受けるケースも確認された。(Q.貸与を装った贈与というのは本来貸与だったけど、もらったと誤解を受けていた?)当事者間では貸与という認識なんだけれども、それを証明する書類はなかった」
■パワハラ疑惑は「あったという確証までは得られず」
今回の調査では4月に公益通報が届いて以降、斎藤知事を含む関係者への聞き取りなどを実施。パワハラ疑惑については「あったという確証までは得られなかった」としました。 (原課長)「一部の職員につきましては強く叱責されたと認識するものが確認できました。この場合においても、パワハラを受けたと認識するものは一方では確認できなかったと。それからこの叱責されたという周囲の職員にも調査を行ったが、知事から叱責を受けたということを聞いたことは記憶しているものの、具体的な言動を把握するものは我々の調査では確認できなかった」
■「公益通報の外部窓口設置」「物品受領のルール明文化」「ハラスメント防止研修」3つの改善策を発表
しかし、これで問題が無かったということではありません。この間、パワハラやおねだり疑惑に関して県民に疑念の目を向けられていた事は明確で、信頼回復のための改善策の策定が発表されました。 1つ目は、職員らが公益通報をしやすい体制作りの強化です。 (斎藤元彦知事)「新たに県外部の公益通報の窓口を設置していきたい。設置場所は県内の弁護士事務所。12月16日から運用開始したい。通報方法は電子メール。知事などに関する通報だけでなく、教育委員会事務局や警察本部に対する通報も一括で受け付ける。組織の自浄作用を一掃発揮し、県民に信頼される県政を推進したい」 次に発表したのは、物品の受領に関する新たなルールについて。寄附を受ける場合と同様に相手側からの申し入れ書による手続きを経なければならないとしました。 (斎藤知事)「食べ物などについて、利害関係者からは原則受けないということにする。また利害関係者の範囲も明確化していく。例えば許認可の相手方であったりとか、補助金の個人の対象者などということで明確にしていくということにしていきたい」 そして3つ目は、風通しのいい組織作りに向けて、ハラスメント防止などの研修を新たに実施するということです。対象となるのは知事を含む次長級以上の職員です。 (斎藤知事)「私も業務上必要だということで厳しく注意したり、こうしてほしいということを言ったこともあるが、職員全体でチームとして仕事をやっていくことが大事だと思うので、次長級以上の幹部職員はこれまで受講していたということで対象となっていなかったと思うが、大きな組織をマネジメントする立場になったからこそ、もう一度研修をきちっと受けることが大事」
■百条委による調査は継続中 25日に斎藤知事と片山元副知事らの出頭要請を決定
これで斎藤知事に関する調査は終わりというわけではありません。元局長の告発文書をめぐっては県議会の百条委員会などが調査を続けています。 午後3時から開かれた百条委員会では、今月25日に予定されている証人尋問に斎藤知事や片山元副知事らへの出頭を要請することが決まりました。 知事が出頭すれば再選後、初めての証人尋問となります。 (斎藤知事)「前回は全国知事会での防災庁の要請とか重要公務があったので、欠席させていただいたが、次12月中に出席についての要請があればしっかりと対応していきたい」
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