消防官の初任給や平均年収はいくら? 階級が上がれば年収1000万円を超えることもできる?
消防士といえば、非常にハードな職業というイメージがあります。ときには身体を張って人命救助を行うこともあり、公務員の中でも給料は高額なのではないかと考えている方も多いでしょう。 そこで今回は、消防士の給与について、初任給や平均給与・昇給する仕組みなどについてご紹介します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
消防士の給与
消防士になるには、高校や専門学校・大学などを卒業し、各自治体の行っている採用試験に合格する必要があります。採用後は、それぞれの自治体の消防学校に半年間入校し、座学や実科訓練で知識や技術を身に付けた後、それぞれの消防署に配属されます。 消防士の給与は、配属される自治体によって異なり、一般的に規模の大きい地域に配属された方が、給与は高くなる傾向です。 ◆消防士の初任給 消防士の初任給は、次の表1のようになります。採用方法によって、初任給の額に違いがあります。
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成 実際の初任給額は、表1に個々に異なる諸手当が加算された額です。高校卒業と大学卒業と比較すると、大学卒業者の方が3万円程度、初任給が高くなっていることが分かります。 なお、厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の概況 によると、高校卒業の平均賃金が18万6800円、大学が23万7300円となっています。ただしこちらは、超過労働給与額(残業手当など)を除く諸手当が含まれた額です。 ◆消防士の平均給与 では消防士全体の平均給与も以下の表2で確認しておきましょう。
※総務省「令和4年地方公務員給与の実態」を基に筆者作成 地域手当は、首都圏や都市部といったほかと比べ物価の高い地域に勤務する公務員に支払われる手当です。給料月額に決まった割合をかけた額となり、それぞれの地域によって異なります。例えば、東京都特別区はもっとも高く20%です。
消防士が昇給する仕組み
消防士が昇給する方法の1つに、昇任試験に合格する方法があります。 消防士には、階級が定められており上から消防総監・消防司監・消防正監・消防監・消防司令長・消防司令・消防司令補・消防士長・消防副士長・消防士の10段階です。採用されるとすべての署員は消防士から始まり、原則では1つずつ昇任試験に合格する必要があります。 階級を上げるためには試験を受ける必要がありますが、階級ごとに勤務年数が定められており、1年ごとにステップアップできるわけではありません。 なお、採用区分によって、昇任試験(選考)に必要な勤続年数に差はあるものの、試験自体は公平に行われ、学歴による差はありません。