好調メルセデス、課題はリヤタイヤの温度? マシン特性の改善のために開発を集中
メルセデスは、パフォーマンスに大きく影響するタイヤ温度の完全に把握するにはまだ時間が必要であり、改善するために複数の開発ステップを予定しているようだ。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 メルセデスは今年、気温の低いコンディションでは輝きを放つが、気温が上がるとライバルと比べて苦戦を強いられるという傾向にある。直近4戦で3勝と絶好調だが、チームはこのタイヤ特性の改善に注力しているようだ。 これはメルセデスのマシンがリヤタイヤにより多くの熱を入れられる特性となっており、寒い時にタイヤを作動温度領域にいれる上で有利に働くが、コンディションによってはオーバーヒートを引き起こしてしまうのだ。 メルセデスはこの問題に対する解決策を見つけるのは簡単なことではなく、満足のいく結果を得るまでには何段階かの開発ステップが必要だと考えている。 トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは次のように語った。 「シルバーストンのようなサーキットでは、リヤエンドは非常に安定していたと思う。オーストリアやブダペストでは安定性に欠けていた」 「それはすべて、我々が他よりもタイヤに熱を入れているように見えたからだ」 「その部分を改善する必要があるのは分かっている。そのための計画はあるが、1回のエアロアップデートで解決できるような問題ではない。この問題を克服するためには、かなりの数の開発が必要になる」 タイヤ温度に関しては、全体的なダウンフォース不足がスライディングを誘発し、それがタイヤ表面の温度を急激に上げてしまうケースもある。 しかしショブリンは、それがW15の特性に影響を与えているとは考えていない。 「シルバーストンを見たとき、我々のクルマがどれだけのダウンフォースを持っているかという点で、マクラーレンやレッドブルと大きく違うとは思えなかった。だから、それが問題の根本的な原因だとは考えていない」 「今、みんながどれくらいでマシンを走らせているかを考えると、ドラッグレベルの目標値やそこから得られるダウンフォースは、かなり狭い範囲に収束している。だから、その点で我々はそこそこの立ち位置にいると思う」 「明らかに、それは今後も開発を続けていく重要な分野のひとつだ。だがそれは単なるリヤタイヤの温度の問題というだけで、そこに我々は集中しているんだ」 エアロよりもメカニカルな面の問題なのかと聞かれ、ショブリンは「クルマの走らせ方によるものだ」と答えた。 「マシンの走らせ方を変えるには、メカニカルなツールが必要かもしれない。しかしスピードレンジやエアロ特性を変えて同じことが達成できるはずだ」 「我々のクルマと彼らのクルマとで何が違うのか、すべての面を理解しているわけではないが、必要なのはそれを改善するための開発の方向性だ。我々が望むところに到達するまで、その問題に取り組み続けるつもりだ」
Jonathan Noble