広島・玉村昇悟 24年の手応えから勝負の年に 「もっとできると思っている」/年男の決意
球団では前田健太(タイガース)以来となる、高卒2年目でシーズン100投球回を、2021年に達成した左腕。24年の4勝はその21年以来の数字だ。 【選手データ】玉村昇悟 プロフィール・通算成績 玉村昇悟は24歳のシーズンに向けて「もっとできると思っている」と力を込めた。殻を破り切れないシーズンが続いたものの、6年目の飛躍の可能性を感じさせる1年だった。 「今まで想像したくてもできなかったものが見えた」と振り返るのが、7月30日のDeNA戦(マツダ広島)だ。二軍を含めて、初めて9回のマウンドに上がった。牧秀悟に3ランを浴びたが、プロ初完投。 2週間後の同カードでも、3失点で9回を投げきった。球団日本人左腕で高橋建(現二軍投手コーチ)以来、21年ぶりの2戦連続完投。その後も、無失点のまま迎えた9回途中で降板した試合もあった。完封という目標も、胸の中にしっかり芽生えた。 年男として、6年目は勝負の1年と考えている。先発陣では“4本柱”の1人、九里亜蓮が海外FA権を行使してオリックスに移籍した。 「亜蓮さんが抜けてチャンス。ここでグッといかないと、もうチャンスはやってこないのかなと思っている。焦るということではないけど、しっかりやりたい」と決意を示す。 首脳陣の期待も大きい。新井貴浩監督は、若手中心で臨んだ秋季キャンプを終えて「実戦を多くやった中で、常廣(常廣羽也斗)と玉村の2人は頭ひとつ抜けている感はある」と、珍しく名前を挙げたほど評価は高い。昨季は開幕ローテーション入りを逃した。 まずは誰もが目の色を変えて狙ってくる九里の一枠をしっかり射止め、最後まで守り抜いてみせる。 &size(75){写真=井沢雄一郎
週刊ベースボール