カープが“競合覚悟”で「宗山塁1位指名」を公表のワケは? ドラフト直前…本人が語った「ショートのポジションにはこだわりたい」の決意
宗山が語った「究極のショート」論とは?
もしかしたら、人間がいちばん苦手かもしれないこの「反復」。しかし、基本技能は、繰り返し、繰り返し、自分の体に刷り込んでいくしか手はない。 「ショートとして、誰にもできない守りがしたいですね。身のこなし、三遊間からのスローイング、ゴロに対する入り方。いろいろな要素がありますけど」 見ていていつも感心する宗山塁のフィールディング。 スピードにとらわれ過ぎず、いつも程よいスピードでボディーバランス抜群の動きをして、それでも三遊間、二遊間……難しいコースの打球もちゃんと間に合わせてアウトにする。打球処理のための「体内時計」を持っているようだ。 「ファインプレーをファインプレーに見せないフィールディングっていうんですか。なんでもない顔で、普通に捕球して送球しているように見せられるのが、究極のショートじゃないかと思うんです」 崩さない。愛想笑いもしない代わりに、終始、折り目正しく、フラットな態度でこちらの問いにそつなく答えてくれる。まさに、彼のプレースタイルそのものだ。 つい先日のリーグ戦、三塁側ブルペンあたりに高~く舞い上がったファールフライを、50m近くも全力で追った宗山塁遊撃手。それでも、最後の落下点付近では、ササササッと小足を使って、体勢をまったく崩すことなく、当たり前のようにグラブに収めてみせた。 そういえば宗山塁、そのバッティングでも崩れたところを見たことがない。 仮に、変化球でタイミングを外されても頭が動かず、だからスイングの軸が崩れない。このメカニズム、彼のフィールディングにも共通する。 この秋のリーグ戦、ある試合の5回の打席のおよそ20球で、打者・宗山塁は一度も頭を動かすことがなかった。 「頭を動かさずに、いつも同じ目の位置から球道を見ることで、インパクトの精度が上がりますし、際どいボールの見極めもしやすくなります。際どいコースに来るボールっていうのは、つまり、ピッチャーの勝負球ですから。そこを見極めることでピッチャーはカウントを悪くして、ストライクゾーンで勝負せざるを得なくなります。そこへ、ピッチャーを追い込んでやれば、失投や甘いボールも増えて、ジャストミートの可能性もぐんと上がってくるので」
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