それぞれの視点で“形”について考える「マメ クロゴウチ」と「アンリアレイジ」、気になる若手も目白押し 2025年春夏パリコレ日記Vol.1
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コレクションは、オリンピックの興奮冷めやらぬパリらしく、 アーチェリーからスタートしましたね。今にも弓を引くことができそうなワンショルダーのウエアはスポーティーでありつつ、チュールドレスになるとまるでギリシャ神話の女神のようでした。
パリでの初ショーで大人の階段を上る「ガニー」
藪野:「ディオール」が終わった後は、公式スケジュール外の「ガニー(GANNI)」のショーのため、急ぎ足でパレ・ド・トーキョーへ移動。「ガニー」は、2024年春夏まで地元コペンハーゲン・ファッション・ウイークでショーを行っていましたが、今季、パリに発表の舞台を移しました。デザイナーは皆、最終的にパリを目指したいのでしょうか。4月に就任した、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」出身のローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)CEOも「グローバル展開をさらに拡大させていく」と話していたので、その点でもやはりパリでのコレクション発表ということなのでしょう。
提案したのは、ざっくりと編んだカーディガンとスポーツユニホームをパッチワークしたドレス、レザー風のパンツを合わせたり、シアーなドレスとジーンズを合わせたりと、異なる要素を自由に掛け合わせたミックススタイル。ただ、“「ガニー」ガールズ“はウーマンへと成長したよう。ジャケットの腰下部分のようなラップスカートやアイレットベルトなどで捻りを効かせたテーラードスタイルも充実していて、大人っぽさを感じました。
サステナビリティにもこだわる「ガニー」は今季、繊維廃棄物から作られたセルロース「サーキュロース(CIRCULOSE)」やオリーブオイルの生産廃棄物から派生したレザーの代替素材「オリーテックス(OLEATEX)」をはじめ、6つの次世代素材を採用。スニーカーのアッパーに用いられた「シンプリファイバー(SYMPLIFYBER)」は、今回初めてランウエイに登場したものだといいます。それぞれの細かい説明は始めると長ーくなるので割愛しますが、難しくなりがちな話よりも「ガニー」を象徴するのはハッピーでポジティブなマインド。何よりもフィナーレに登場したモデルたちの楽しそうな姿が、それを物語っていました。