それぞれの視点で“形”について考える「マメ クロゴウチ」と「アンリアレイジ」、気になる若手も目白押し 2025年春夏パリコレ日記Vol.1
そして、お次は2021年に設立された中国人デザイナーのルオハン・ニー(Ruohan Nie)による「ルオハン(RUOHAN)」のショーへ。中央が吹き抜けになった会場には3フロアに木琴や鉄琴、ハープ、チェロ、ヴィオラなどの演奏者がスタンバイ。その数は何と22人と若手ブランドとは思えないぜいたくな演出ですが、ファッションデザイナーを志す前は音楽に夢中だったというデザイナーらしくもあります。そして、今回のコレクション自体も音楽に紐づいたもの。「全体を通して、一曲や一節の楽譜のようなものと思ってほしい」というコレクションは、白黒やベージュ、グレージュ、ペールブルー、ネイビー、ワインレッドといった落ち着いた色合いでハーモニーを表現しています。デザインは、ギャザーや切り替え、スリット、ドレープ、アシンメトリーなネックラインとヘムなどでアクセントを加えながらも、かなりミニマル。それがこだわりの生地を際立たせ、ブランドが掲げる“モダン・ミニマリズム“を体現しています。ただ、そんな生地の質感は写真で見るだけではなかなか伝わりづらいというのも事実。その点、24年秋冬から伊勢丹やユナイテッドアローズ、バーニーズ ニューヨーク、エーピー ストゥディオ、アパルトモンなどで取り扱われるそうなので、日本で実際に手に取って見られる機会も増えそうです。
最近は、公式スケジュールのプレゼンテーション枠のブランドが勝手にショー形式に変更することもしばしば。パリコレ序盤から手分けしないと回りきれないスケジュール感ですが、村上さんはどちらへ?
村上要「WWDJAPAN」編集長(以下、村上):私は朝イチ、「メレリオ(MELLERIO)」というジュエリーブランドの15代目当主(⁉︎)にお会いしてきました。来月の来日に先駆けてのご挨拶です。
その後に向かったのは、「マリー アダム リーナールト(MARIE ADAM-LEENAERDT)」。本年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」でファイナリストに残ったブランドです。