煙で魔法をかける!? 手のひらサイズの“リキスモーカー”なら手間ひまかかる燻製料理が10分で完成します
●アウトドアでもベランダでも大活躍
石器時代より焚火の煙で食材を燻し、保存食として人類が利用してきた燻製。本格的な燻製は食材を塩漬けして乾燥させ、煙でじっくり燻すという手間のかかる行程で仕上げられます。 【画像】手のひらサイズのスモーカーを画像で見る(16枚)
そんなややこしくも魅力的な燻製ですが、今回紹介する「LiQ SMOKER(リキスモーカー)」なら、およそ10分で燻製の醍醐味である“香り”を楽しむことができるんです。 「リキスモーカー」はモーターサイクル向けのギアを手がける日本のブランド、デイトナが手がけるガジェット。直径約90mmのウッドディスクにステンレススチール製のフィルターを組み合わせた、いわば“モバイル・スモーカー”といえるギア。 本体ボディとフタには、サペリと呼ばれる赤褐色の木目が美しい木材を使用し雰囲気もかなり上質。所有する喜びも満たしてくれる一品に仕上がっています。
●基本的に液体用
というわけでさっそく、リキスモーカーを使ってみることに。メーカーによるとリキスモーカーは基本的に液体用とのこと。そこで、香りが微妙で持て余していた安ウイスキーを用意しました。 リキスモーカー本体のほかに必要なのは、食材とそれを入れるグラス(シェラカップ)、着火用のターボライター、スモークチップ。 スモークチップとは広葉樹をフレーク状に小さくしたもので、アウトドアショップなどで入手ができますが、今回は桜のチップで試すことに。
まずはグラスにトクトクとウイスキーを注ぎ、上部にリキスモーカーの本体をセット。金属製のフィルターに桜のチップを小さじ2杯ほど入れ、まわりに引火物がないことを確認してからターボライターで炙ります。取説によると、バーナーやトーチ類は火力が強過ぎるのでNGとのこと。 フタをしてしばらくすると、桜のほのかな香りが漂ってきます。香ると言っても強すぎないので、ベランダでキャンプっぽさを楽しむベランピングでも使えそうです。 すると、メタルフィルターの穴から煙がグラス内に出現。砂時計から流れる砂のように下がっていき、ウイスキーの表面にゆっくりと広がっていきます。この煙の描く軌跡がなかなかに美しいので、完成までビジュアル面でも楽しませてくれます。 そうこうしていると2分ほどでチップが燃え尽き煙が消えるので、チップをつめ直して再びターボライターで炙り着火してあげます。 この作業を繰り返して合計10分ほどスモークするわけですが、この一見めんどうくさそうな作業が意外と面白く、“自分の手でウイスキーをカスタマイズする”という謎の達成感が味わえます。 スモーク作業を3回ほど繰り返したところでテイスティング。もちろん見た目に変化はありませんが、グラスに口を近づけると想像以上にしっかりとした桜のスモーキーな香りの輪郭が立ち上がり、ウイスキーが別物に変身していることに驚かされます。 デイトナの担当者によるとウイスキーのほか、赤ワインや焼酎もスモークすると化けることがあるのだそう。 ターボライターで炙る作業の繰り返しはソロキャンプだとハマりますし、グループなら一人一個の“My リキスモーカー”を持ち寄って、ワイワイ言いながら自分好みの燻製作りを楽しむこともできそうです。