生成AIと上手に付き合うには? 専門家に聞く、今日からできる「情報収集」の極意
私たちの生活に欠かせない、情報収集。 日々、Webサイトや本などで興味のある情報やいつか役立ちそうな情報に出合うことがあるが、情報のストックがうまくできず、アウトプットに生かせないことも……。 【全画像をみる】生成AIと上手に付き合うには? 専門家に聞く、今日からできる「情報収集」の極意 そんな悩みを解決する方法を、前回に引き続き、現役の大学図書館司書であり、『大学図書館司書が教える AI時代の調べ方の教科書』(BOW BOOKS)を上梓した中崎倫子氏に聞いた。
「記憶」か「記録」でいつでも使用できるように
日夜せっせと情報の収集に励んでも、いざというときにその情報を引き出せないと、収集の意味がない。“情報をいつでも使える状態”にしておくためには、どのような方法で情報をキープしておけばよいのだろうか。 中崎氏によると、情報のストックには「記憶」と「記録」の2種類があるという。 ①記憶する いつでも情報を使えるよう、頭の中に情報をストックしておく方法。 話して情報を伝える場合など、いちいちメモを確認できない場合にも有効だ。 「記憶するだけでは忘れてしまうのでは……」と心配になるが、必要な情報であれば自然に頭の中に残るもの。無理に記憶しておく必要はない。 「記憶を定着したい場合は、その情報を人に教えるのも有効です。 自分の中でかみ砕いて言語化しアウトプットすることで、自分自身にも情報をしみこませることができます。 情報を覚えておくだけではなく、“使いこなす”ところまで到達したい人も、人に教えてみるとよいでしょう」 ②記録する 自分が確認をしたり、文章を正しく引用して人に伝えたりしたい場合などには、正確な内容をキープしておく必要がある。その場合は記憶に頼らずメモに残しておく、いわば脳外メモリーにアウトプットしておくことが有効だ。
電子化で「いつでも検索可能」な状態に
情報を記録する際、スマホのメモやSNS投稿の保存、写真撮影などさまざまな記録方法をしていると、あちこちに情報が散らばってしまい、情報が見つからないことも多々ある。 「『せっかく集めた情報だから』とノートに情報を書き写したり、インデックスを付けたりして保存する……というようにしていては、労力がかかってしまいます。忙しい日々の中で、そこまで情報のストックに時間を使えるビジネスパーソンも少ないでしょう。 手間を掛けずに、かつ必要な時に情報を検索できるようにするために、電子で情報をストックしておくことをお勧めします」 中崎氏が良く活用しているのはGoogle Keepだが、EvernoteやPCのメモ機能など、自身の使いやすいツールに情報を保存するのが良いという。 Google Keepは簡単に言えばメモ機能のようなものだが、Google Chromeの拡張機能を使ったWeb記事の保存や、スマホのカメラで撮影した本や雑誌の内容をテキストデータ化する「OCR」(光学的文字認識)を利用可能といったメリットがある。 ちなみに本や雑誌を撮影する際は、著作権に抵触しない範囲で実施しよう。 またGoogle Keepには検索機能がついているため、Google Keepに情報を入れてさえおけば、いつでも必要な情報を簡単に引き出せるというわけだ。 「どこに情報があるかを理解し、すぐにアクセスできるようにしておくと活用しやすくなります。 情報は本来、使ってこそ意味があるもの。あくまで“活用すること”をベースにした情報のストック方法を意識しましょう」