なぜ大谷翔平は“球宴後遺症”を脱して34号2ランをかっ飛ばすことができたのか…マドン監督の分析は技術の修正
エンゼルスの大谷翔平(27)が18日(日本時間19日)、本拠地で行われたマリナーズ戦に「2番・DH」でフル出場し、9回二死三塁から、5番手の右腕、ポール・シーウォルドがインローに投じた見送ればボールのスライダーを“ゴルフスイング”ですくい上げ、5試合、26打席ぶりとなる34号2ランを右中間スタンドへと放り込んだ。スタットキャストが弾きだした飛距離は419フィート(約128メートル)。試合には4-7で敗れたが、最後まで席を立たなかったファンを沸かせ、7回には、一塁ゴロで俊足を飛ばして、ベースカバーに走る一塁手との競争をタッチ差でかわして内野安打としていた。 前日は、5打数ノーヒットで4打席連続三振に倒れ、この日も第1打席は外へ落ちるボール球に手を出して空振り三振に終わっていた。その後は、敬遠気味に2打席連続四球。後半戦の大谷は、どこかおかしかった。 大谷は12日のオールスターゲームのホームランダービーの1回戦で延長、再延長と激闘を演じた。4分間プラス1分間をハイペースでフルスイングを続けて、再延長はわずか1スイングだったが、「疲れた。楽しかったけれど、こんな経験はない」と語るなど、インタビューで「疲れた」を連発していた。その状況のまま翌日の本番では、先発し1イニングを全力で投げ、DHとしては2打席立った。 ロサンゼルス・タイムズ紙も「大谷が9回に本塁打を放つ前、大谷はホームランダービーに出場した後に開始したシーズン後半戦の打席でわずか12打数2安打だった」と記すなど、ここまでの“プチスランプ”の理由はホームランダービーの疲労の影響だったとの見方が強く、MLB公式サイトは、この34号を「大谷、ダービーのさびを振り払い、完璧に捉える34号本塁打」と表現するほどだった。 では、なぜ大谷は“球宴後遺症”から脱することができたのか? 同サイトによると、試合後、メディアからジョー・マドン監督に対して「大谷のダービー出場がスイングに何らかの影響を与えたのか」との質問が飛び、マドン監督は、「彼は通常よりも引っ張ることが多く、少しスイングを崩してしまったかもしれない。この試合の最後でほぼセンターに向けて本塁打を打ったことが、私が良かったと思う理由だ。疲れが影響したのではなく技術的なものだった」との分析を口にした。 マドン監督によると、崩れていた大谷のスイングを修正するために、ジェレミー・リード打撃コーチと「打席でバランスを良くすること」に取り組んでいたという。