小祝さくらの得意なアプローチは“ロブショット”。「球を上げるのが好き、練習しましたから」
女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。そのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第41話、「上げるアプローチが好きなんです。練習しましたから」
小祝さくらは、ロブショットでの〝寄せ〟が得意だ。本人に得意なアプローチは何かと尋ねると、即答で「ロブですね!」と返ってくる。
「球を上げるのが好きで、自信もあります。逆に言うと、転がしが苦手なんです。ちょっと嫌だなあと思ったライからは全部上げたりします。上げるほうが、イメージが湧くんですね。上げるほうが好きなんだなあと思います」 上げるほうが、距離感も合うのだという。「けっこうシビアな距離感、グリーンエッジからすぐ奥の場所にボールを落とさないと戻ってきてしまう場合なんかでも、上げるほうが、すごくイメージは湧くんですよね」 使用ウェッジは58度。54度や52度は使わない。ロブショットは難しいイメージがあるが、上手く打つコツを聞いてみよう。 「いやもう感覚です(笑)。実はアマチュア時代は苦手でした。だけどプロテスト前に、やっぱり必要だなってロブをすごく練習するようになって……距離感とかも、ヘッドの開き方をいろいろ変えて練習するようにしたら、ロブのほうが今は好きになって。あのとき芝からかなり練習した感覚が今でもずっと残っているんでしょうね」。結局、練習の賜物なのだ。 「最初はフェースを開いて上げるという単純なイメージで始めたんですよ。そのあと、コーチに体重配分なんかを教えてもらいながら練習しました。ボールの位置は距離にもよりますけど、真ん中から少し左め、体重は左にしっかり乗せるイメージです」 しかし、苦手だという転がしの練習もしっかり行う。「ロブに頼りすぎたらよくないですから、満遍なく練習します」。小祝さくらのゴルフの基本は、シンプルに考えることにある。 「傾斜とかもけっこう苦手。すぐにダフるんですよ。つま先上がりとか左足上がりとかが嫌いですね。ふふふ」と不敵に笑いながら、「でもまあ、絶対傾斜に行かないように気にして打ったりはしません。そうするとかえって、ミスにつながりますから。傾斜では、軸がブレないようにとか、本当にありきたりなことを気にしているくらいなんです」
球筋の打ち分け方は、「スウィング軌道です。ドローならインサイドアウト、フェードはアウトサイドインのイメージ。足の位置は多少変えますけどボール位置はほぼ変えません。球を曲げることも、プロになってできるようになりました。何でも練習すればけっこうできるようになるものですよ」 シンプルなことをしっかり練習する。さくらの〝安定ゴルフ〟はここから生まれるのだ。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月18日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa)
週刊ゴルフダイジェスト