役職定年の中高年男性 何をしていいのかわからず高ストレス 妻との関係は「×」 趣味も友もなし…解決策は?
パートなど多様な働き方も
産業医 : 新しい仕事を見つける道もありますよ。総務省の2023年の調査では65~69歳の就業者率は52%と2人に1人が働いていますから。 井沢さん: そうか。退職後に別の仕事を見つける道もある。 産業医 : 再就職ですね。リクルートジョブズリサーチセンターの「シニア層の就業実態・意識調査 2023」では、「仕事をしたい理由」を複数回答で尋ねると、第1位は「生計維持のため」、2位は「健康のため」、3位は「小遣い確保」、4位に「社会とのつながりをもちたい」の順でここまでは3~4割の人が挙げています。経済的な理由だけではありません。「暇な時間をつぶすため」も15.5%ありました。 井沢さん: 家でゴロゴロし、妻に嫌がられるよりは働きに出るのがよいか。 産業医 : 働き方もフルタイムではなく、パート勤務も多いようです。 井沢さん: 少し安心しました。 仕事や仕事にかかわる人間関係中心のあり方から家庭・個人生活への移行に伴う大きな葛藤。趣味に生きがいを見いだす人もいますが、負担が少ないパート勤務で働き続けることが救いになっている方もいます。
夏目誠(なつめ・まこと)
精神科医、産業医、大阪樟蔭女子大学名誉教授。40年以上13企業の精神科医として従業員の診療や相談、啓発普及(講演1500回)、復職支援に関与しメンタルヘルスの向上に取り組んでいる。人事院・心の健康づくり指導委員会委員、日本産業ストレス学会元理事長。 著書に Amazon.co.jp:「35歳からのメンタルヘルスー事例でわかる働く人と家族のストレス対策」、「中高年に効く! メンタル防衛術」、「職場不適応サイン」など多数。 夏目誠の公式ホームページ (natsumemakoto.com) 精神科医マコマコちゃんねる - YouTube