役職定年の中高年男性 何をしていいのかわからず高ストレス 妻との関係は「×」 趣味も友もなし…解決策は?
会社人間から生活重視へ
西口さん: 生活にウェイトをおく。 産業医 : 収入も減りますから。ワーク・ライフ・バランスの再検討ということですね。 西口さん: う~ん。厳しい課題です。頭ではわかりますが、直面すると何をどうすればいいのか。 産業医 : あなただけではなく、「会社人間」として生きてきた高齢男性者の課題ですよ。 西口さん: 何をすれば、よいのかがわからない。 産業医 : 試行錯誤になるでしょう。 西口さん: 先生、何かヒントがあれば。 産業医 : 多くの人が戸惑っていますね。 西口さん: わかります。
家族との外食を増やす
産業医 : 二つポイントがあります。配偶者や子どもさんとの関係、次に趣味やスポーツなど楽しむものがあるかどうかです。 西口さん: 趣味と言えるほどのものはない。家族との過ごし方か……。 産業医 : 趣味はないのですね。定年後は家族、特に配偶者との関係はポイントになります。夫婦の会話や外食、旅行などです。 西口さん: 妻との会話はあまりないかな。外食は年に2回、旅行はこの5年ぐらい行っていません。 産業医 : さしあたり家族との外食を増やすのはどうでしょうか? おいしい店を探し、味を楽しむ。会話もはずみますよ。
63歳、嘱託社員の井沢さんは
次の事例は63歳で嘱託社員の井沢さんです。同様に高ストレス者面談を希望して訪れました。 産業医 : 産業医の夏目です。 井沢さん: 57歳まで品質管理部長、今は嘱託社員です。 産業医 : 嘱託社員生活、どうですか? 井沢さん: 収入が1300万円から500万円にダウンです。わかっていたこととはいえショックですね。引き続き品質管理部で働いています。 産業医 : 年金までのつなぎの仕事ということですね。悩みごとは?
退職後、時間を持て余すのは……
井沢さん: 何をしていいかわからない。何人か退職した先輩に聞いても時間を持て余しています。みなさん、私同様、奥さんとの関係も良いとはいえないようでした。先輩のように時間を持て余すのは嫌ですね。でもどうすればよいか。 産業医 : 仕事がなくなって、何をしていいのかわからない状態に直面します。 井沢さん: そうなんですよ。趣味はないし、職場に仲間はいても友達はいないから。 産業医 : サラリーマンとしてうまくやって、ポストが上になった人ほどそうです。 井沢さん: わかります。 産業医 : 家族との過ごし方は、いかがでしょうか? 井沢さん: 月に1回は外食を、旅行も2年に1回と増やしました。