ヤマハのバイクに乗って感じること5選! ライダーの高揚感とシンクロするように表情を変える
4.他と違ったバイクをつくる
現在では国産バイクで唯一の3気筒エンジンを採用したり、フロント2輪のLMW(Leaning Multi Wheels)という機構を採用した3輪バイクを販売するなど、他メーカーがあまり製品化していない構成のバイクを市販することが多い。 ほかにも、初代TMAXに『オートマチックスーパースポーツ』のコンセプトを与えたり、かつてセロー225で「2輪2足走行」を提唱したり、前述のように独自のメカニズム(モノクロスサスペンションやクロスプレーンクランクなど)を最初に市販化したりと枚挙にいとまがない。 たまに尖りすぎていると感じることもなくはないが、それも含めてヤマハらしさ。そうした独自のコンセプトをつくり出すことが、かつてのSR400やセローシリーズのようなロングセラーモデルの誕生、そしてVMAXや後方排気TZR250のような記憶に残るマシンの誕生を後押ししているのだろう。 ──左からTMAX560、トリシティ125、ビーノ。スクーターだけ見てもオリジナリティのあるデザインやコンセプトをそれぞれのモデルで築いている。
5.ユーザーに優しい
ヤマハのバイクのミラーは右側が逆ネジだ。とても小さなことのようでも、ヤマハの細やかな配慮が見える点がこれ。通常のネジは上から見て時計回りに回すことで締まり、反時計回りに回すと緩む。これをそのままミラーの付け根に反映すると、走行中に何か障害物(木の枝など)や人に当たった時、左側は前から押されることで緩む=ダメージを低減するが、右側は締まってしまうことでダメージを逃がせず、さらにオーバートルクで締まることでミラーマウントの受け側が破損しかねない。 これを解消するのが、右側逆ネジ構造。左側ミラーと同じように前から何かが当たったときに緩むようになっている。 最近はヤマハも他メーカーも正ネジと逆ネジを組み合わせた二重ネジとすることで、どちらに回しても緩むようにしているものが多いが、ヤマハは昔から伝統的に右側ミラーの土台部分の逆ネジ構造を小排気量車~大排気量車を問わず採用しているのだ。 ほかにも、ライダーが触れる部分は丸みを帯びていたり扱いやすい位置関係になっていたりと、芸の細かい配慮がなされている。
まとめ
ヤマハは上記のほかにも故障が少ない、整備性に優れるなど国産メーカーとして標準的な特徴を当然ながら持ち合わせている。一方で、ここまで記したように優しさとアグレッシブさの二面性を持っていたり、他にないものをつくろうという意志が前面に出ていたりと、主張の強い個性がある。 バイクで何かをすることが楽しいというよりも、バイクに乗ることそのものが面白い、というのがヤマハのバイクの特徴としってよさそうだ。 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。