カウボーイブーツのスタイル7選──トレンドの靴を乗りこなそう
ラルフ・ローレンからファレル・ウィリアムスまで、スタイルアイコン達はこの無鉄砲なブーツをどう履きこなしているのか? 【写真を見る】ラルフ・ローレン、ファレル、ドワイト・ヨアカム……。カウボーイブーツを履きこなす7人のセレブたち。
カウボーイスタイルは最近、メインストリームで受け入れられるようになっている。つまり、ウエスタンの魅力を表現するのに、必ずしも完全な西部劇スタイルである必要はない。ただし、これはカウボーイブーツの履きこなし方を心得ていることが前提となる。 テキサスを代表するシューズであるカウボーイブーツを履くのは、この流行こと“カウボーイコア”に足を踏み入れるひとつの方法だ。スペインやメキシコで流行した乗馬用ブーツから進化したこのブーツは、鞍に付いたあぶみに足を固定しやすいようにつま先が細く、かかとが高くなっている。 アメリカ初のカウボーイブーツは、1800年代後半にテキサスかカンザスで生まれたと考えられている。同時代のもう少し西側のカリフォルニアでは、リーバイ・ストラウスと仕立て屋のヤコブ・デイビスが世界で最初のブルージーンズを作り上げた。まるでリンゴとパイが出会ったかのような運命だ。 しかし、デニム・オン・デニムだけがカウボーイブーツに合わせる唯一の方法ではない。ファレル・ウィリアムス、ビリー・ボブ・ソーントン、ラルフ・ローレンらスタイルアイコンによる履きこなしを参考にしてみよう。 ■クラシックに、でも少し崩して タンレザーとブルーデニムは言うまでもなく相性抜群だが、伝統を破ることを恐れずにベルトの上に今風のアウターを羽織ってみよう。ファレルほど都会っ子なカウボーイはいない。 ■ネクタイと合わせて ウエスタンウェアではドレスアップできないと思っている? なら考え直して欲しい。ラルフ・ローレンの粋なネクタイと上品なワイドパンツがシャツとバックルブーツの武骨さを打ち消している。 ■大胆にいこう ビリー・ボブ・ソーントンはスネークスキンとピンストライプという柄同士をミックスしてみせた。四半世紀前近くも前、ロサンゼルスで開催された映画『ポワゾン』のプレミア試写会でのことだが、現在でも通用する雰囲気を醸し出している。 ■黒でまとめる ツヤのあるカウボーイブーツと細身の黒いスラックスほど、文句なしにイケてる組み合わせはないだろう。マール・ハガードのように威勢よくスエードジャケットを羽織ってカジュアルに演出しても、パリッとしたドレスシャツにネクタイ、テーラードジャケットでフォーマルに決めてもいい。 ■デニム・オン・デニムにひと工夫 デニム・オン・デニムとカウボーイブーツを陳腐に見せないコツは、カントリー歌手のドワイト・ヨアカムのように、目を引くコートや真っ白なシャツといった少々予想外なアイテムでまとめ上げることだ。 ■サイドジップもありだ 履くのが大変だからとカウボーイブーツを敬遠している人は、イーサン・ホークのようにさりげないサイドジッパーがついたものはどうだろうか。ジッパーが目立たないよう、レザーと同色で統一したモデルを探してみよう。 ■とびきりの変わり種も モンタナの牧場主がカウボーイブーツにバギーショーツを合わせるとは思えないが、エイサップ・ファーグはそんな意外な組み合わせを、モーターサイクルジャケットとともにコーディネートしてみせた。 ■カウボーイブーツのFAQ 1. 一番良いカウボーイブーツを作るブランドは? テコバスのようなD2Cの新興ブランドから、アリアットのように本物のロデオで使われるものまで、『GQ』は数多くのカウボーイブーツブランドのファンだ。しかし、予算度外視でベストブーツを挙げるとなると、テキサスの名門メーカー、ルケーシーのクオリティを否定することはできない。豪華なレザーとワイルドなディテール(および、だいたいそれに見合った価格)で有名なルケーシーは、1883年の創業以来、お金持ちで、パワフルで、スタイリッシュなものを好む人々に向けてカウボーイブーツを手作業で作り続けている。 2. カウボーイブーツを正しくフィットさせるには? カウボーイブーツは履き慣らす必要がある。革は時間の経過とともに伸びて柔らかくなるため、最初はぴったり合わせたほうがいい。購入する際には足の甲とつま革がしっかりつくようなサイズ感を選ぶと、多少革が伸びてもかかとが固定される。 3. カウボーイブーツを伸ばすには? 革を伸ばすには時間と力をかけるしかない。履き始めの靴擦れを避けるため、靴下を二重にして家で歩き回るのは常套手段だが、サフィールのクリームを使用したり、足首に少しゆとりを作るブーツストレッチャーなども検討してみてもいい。 4. カウボーイブーツに合う靴下は? ここではブーツが主役なので、歩行に耐えられる靴下を履くこと。履き心地や通気性がよく(綿混紡がベストだろう)、さらにはふくらはぎを覆うのに十分な長さがあり、ずり落ちてつま先のほうに寄ってしまわないものがいい。 5. カウボーイブーツに一番合うジーンズは? ファレルによるルイ・ヴィトンのフレアのデニムパンツのように、メインストリームでは年々その着こなしの幅が広がっているが、「カウボーイブーツに合わせる最高のジーンズ」の称号は、オリジナルに譲るしかない。リーバイスは1969年、高めのシャフト(筒丈)を考慮し特別にフレアにしたブーツカット「517」を作った。リーバイスは1970年代に時代を乗りこなすかのごとく大ブームを巻き起こしたが、現在また流行が戻ってきた。 From GQ.COM By Coleman Molnar Translated and Adapted by Ryo Todoriki