佐々木朗希とドジャースの相性はバツグン パドレスではローテで孤軍奮闘となる可能性も
【ダルビッシュのいるパドレスの事情は?】 2025年の佐々木のシーズン年齢は、メジャー1年目(2018年)の大谷と同じ23歳だ。 理由はともかく、大谷のように佐々木の最初の3シーズンのイニングが少なかったとしても、ドジャースはその間もポストシーズン進出を狙うコンテンダーであり続けることができる。 昨年オフは大谷を10年7億ドル(約1015億円/2024年~2033年)、山本を12年3億2500万ドル(約465億円/2024年~2035年)の契約で迎え入れ、トレードで獲得したグラスノーとは5年1億3656万2500ドル (約204億円/2024年~2028年)の延長契約を交わした。来シーズンから数えて、佐々木の4年目は2028年だ。この時点では、大谷、山本、グラスノーの3人とも契約期間中。ストーンやナックらもFAにはなっていない。 野手では、ムーキー・ベッツとウィル・スミスが2028年以降もドジャースにいる。それぞれの契約は、12年3億6500万ドル(約391億円・当時/2021年~2032年)と10年1億4000万ドル(約211億円/2024年~2033年)だ。 たとえば、ドジャースと同じナ・リーグ西地区のライバルであるサンディエゴ・パドレスは、ディラン・シース、マイケル・キング、ダルビッシュ有に、2025年は全休のジョー・マスグローブを含めた先発投手4人のうち、シースとキングが来オフにFAとなる。長期契約の野手はドジャースより多く、2024年にメジャーデビューを果たしたジャクソン・メリルもいるものの、ドジャースと違って数年先のローテーションは見えていない。 それだけにパドレスは佐々木をほしがっているという見方もできるが、佐々木がパドレスに入団した場合、近い将来、整備されていないローテーションで孤軍奮闘という事態もある。エンゼルス時代の大谷ほどひどくはならないはずだが、あり得なくもない。 ドジャースは2013年から12年続けてポストシーズンに進出し、2020年と2024年はワールドシリーズ優勝を飾った。だが、それに満足することなく、より強大で長期にわたるダイナスティ(王朝)を築くつもりらしい。佐々木を迎え入れようとしているのは、目の前のワールドシリーズ連覇もさることながら、さらにその先を見据えた動きに思える。
宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki