【最速】店頭に行く前に、知ってほしい…最新Macの頭脳「M4プロセッサー」が引き出す「衝撃の実力」を実機レビューする
進化を遂げた第4世代
すでに述べたように、新製品の特徴は「M4」という新しいプロセッサーにある。2020年に登場し、Mac向けとしては初代にあたる「M1」から4世代目であり、かなり大きな変化を遂げている。 今回は、アップルから「M4 Pro」(CPUコア14・GPUコア20・メインメモリー48GB)を搭載したMacBook Proの評価モデルを借りているので、そのスペックから検証してみよう。 手元にある機材や過去にテストした製品のテスト結果をまとめ、グラフにしてみた。
高性能を示す2つのグラフ
以下の2つのグラフは、CPUとGPUの性能を測る「Geekbench 6」というソフトでのテスト結果である。参考として、最新のiPhoneである「iPhone 16 Pro Max」と、M4を搭載した「iPad Pro」の数値も入れてある。赤い点線で枠囲みしてあるのが、今回のM4 Pro搭載MacBook Proだ。
際立って高いマルチコア性能
M4 Proはその名のとおり、性能重視のプロ向けプロセッサーである。さらに上の「M4 Max」もあるが、ハイグレードな性能を求める人向けの高付加価値品であることに変わりはない。 M4 Pro搭載MacBook Proは、今回グラフにまとめた機種の中では群を抜いて性能が高い。昨年のモデルである「M3 Pro」搭載製品からの性能アップも著しいのが一目瞭然だ。 目を引くのは、CPU1コアあたり(シングルコア)の性能はそこまで変化していないのに、マルチコア性能の伸びが際立って大きい点だ。 また、OSが異なるため参考値にとどまるものの、iPad Proに使われているM4のテスト結果がM3 Proに迫っているのも興味深い。 だが、これらの数値と同様に重要なテスト結果がもう1つある。それは何か?
「AIの能力」を計ってみたら…?
もう1つの重要なテスト結果とは、「AIの推論能力」をチェックしたものだ。「Geekbench AI」によるテスト結果が、非常に興味深い内容になっている。 左端にある2020年登場のM1に比べ、AI戦略がターゲットに入ってきた2023年発売の「M3 Pro」以降で、性能が急速に上がっているのがわかる。この背景には、2020年の段階では負荷の大きな生成AI利用はそこまで増えておらず、「モデルを最適化したAIを重視した設計になっていなかったから」という事情がありそうだ。 同時に、今年発売の「iPad Pro」「iPhone 16 Pro Max」「M4 Pro搭載MacBook Pro」でのAI推論性能が同クラスである、というのも興味深い結果だ。 これは、プロセッサーの中でAI推論をするしくみである「Neural Engine」が、各機種でほぼ同じ性能となっているから起きることだ。冒頭で述べたApple Intelligenceは、Neural Engineを活かし、ほとんどの処理をクラウドではなく機器の中でおこなう。 Apple IntelligenceはM1でも動くことになっているが、より快適に動作するのは最新のNeural Engineを搭載した新機種……ということになるわけだ。
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