<諜報活動をわかっているか?>可決したセキュリティ・クリアランス制度に横たわる数々の盲点
「普通の国」になるかは今後の有識者の議論次第
一部ではあるが、現段階での問題点や課題について指摘した。この他にも指摘できる点は山ほどあるが、セキュリティ・クリアランス制度の法制化はスパイ防止法を持たない日本が「普通の国」になる第一歩として評価したい。 セキュリティ・クリアランス制度は、重要情報にアクセスできる人を「この人物は外部に漏らすおそれがない」との「お墨付き」を与える制度である一方、個人の秘密にしておきたい情報を扱う極めて国家権力を強める制度である。また、適格性評価情報の漏えいや不適切な扱いにより国家を危機に陥れる危険性も秘めている制度である。 国民の理解を深め、広く支持を集め、セキュリティ・クリアランス制度を実効性のあるものとするためるためにも、今後の有識者による議論と透明性の確保が重要である。注意深く見守っていきたい。
山崎文明