バズりと炎上のぶつかり合い!?バーガーキング“賛否両論”戦略
それは「回り道ワッパー」作戦。「マクドナルド」の店舗の180メートル以内に入ると、「バーガーキング」からアプリに通知が届き、「ワッパー」が1セントで買えるクーポンがもらえるというもの。さらにその「マクドナルド」から一番近い「バーガーキング」の店舗へ道案内までしてくれる。 この作戦は全米でも「最高にクール!」「卑怯すぎる」と賛否両論を呼んで大バズり。アプリのダウンロードは150万件に達した。 「やはり他社に対してそういうことをやるのはドキドキハラハラする。人に驚きを与えて楽しみもあって、なおかつ両方得をする。ブランドも得ですし、ファンの皆さんも得。全てが一個のパッケージになっていて、すごいと思いました」(野村) この成功により、2019年に世界3大広告賞のひとつ「カンヌライオンズ」の3部門でグランプリを受賞する。日本のマーケティング部門の代表として授賞式に参加した野村は、興奮した。 「すぐに日本に帰って自分もこういうことをやりたい、と。少しクリエイティブに考えたり、アンチに触れてしまうところはありますが、そこのバランスをどうやってとっていくか学びになりました」(野村) これを機に野村は賛否両論を呼ぶ広告を次々に打ち出し、バズらせていく。そして2023年、社長に就任。低迷していた日本の「バーガーキング」復活の先頭に立っている。
物件紹介で客に10万円!?~斬新すぎる出店戦略の狙い
千葉県・市川市の新規出店の候補地。野村は物件の候補地があると必ず自ら足を運ぶ。 「今日4軒くらい回りましたが、ほぼ行けるんじゃないか。年内にうまく交渉がまとまれば全部オープンしていきます」(野村) コロナ禍では空き店舗が増えて物件を手に入れやすかったが、今はライバルも出店攻勢に転じ、取り合いの状態になっている。
そこで「バーガーキング」は物件探しでもアイデアで仕掛けた。それが客から出店できそうな物件を募る「バーガーキングを増やそう」というネット広告だ。 実際に出店すれば、その物件を紹介した人に10万円が贈呈される(現在は募集を終了)。結果は想像以上で、全国各地から75000件もの応募があったという。