バズりと炎上のぶつかり合い!?バーガーキング“賛否両論”戦略
出店ラッシュが続く「バーガーキング」。この日は東京・板橋区の成増に新店がオープンした。現場でポスターの位置や色まで細かく指示を出しているのが、「バーガーキング」を運営するビーケージャパンホールディングス社長・野村一裕(45)だ。 「お店の数が少な過ぎるということが、一番お客様からの指摘で多い。まずはそこをきちっと埋めていく。このまま5年後には600店舗のチェーンになりたい。そこを目指しています」(野村) 「バーガーキング」の店舗数は、業界首位の「マクドナルド」や2位の「モスバーガー」とはまだ差が大きい。だが2028年末までに現在の約3倍、600店を目指している。 ビーケージャパンホールディングス(東京・千代田区)は2017年に設立。本社勤務や各店の店長など約300人の社員が在籍している。
驚きの「賛否両論」戦略~メニュー・広告が大バズリ!
大躍進する裏には、このブランドをバズらせ続ける野村の戦略があった。 「しょせんマックには勝てない。ずっとそう言われてきましたが、50分の1、100分の1の予算しかかけられなくても、それを工夫するのがマーケティングや新商品開発です」(野村) 〇バズらせる戦略1~賛否両論のメニュー 新商品を生み出すテストキッチンでは、商品開発部の今井奈緒美が7月に発売する4枚肉バーガーを試作していた。チーズとスモーキーなベーコン、トマトを合わせた商品だ。 発売前に必ず味を確認して、ゴーを出すのが野村の仕事だ。3つ目を食べたところで「これでいこう。おいしい」となった。 味に自信を持って出している4枚肉シリーズだが、客からは「大きすぎる」「絶対頼まない」という声もある。実は「バーガーキング」の商品には否定的な声も多い。
たとえば期間限定で売り出した「ザ・フェイク・バーガー」。 バンズに挟んでいるのは肉ではなくチーズとポテトだけ。これが発売されるとネットは大騒ぎになった。「おいしい」という声がある一方で「飲み込みにくそう」「ポテトはポテトで食べたい」と、賛否両論を巻き起こした。こうしてバズらせるのが、野村の狙いなのだ。 「51人が賞賛しているけど、49人が『おいしくない、面白くない』と言えば、それこそがバズりと炎上のぶつかりをしているところ。そこに大きなウネリができていくので、51が『賛』であればいいと思っています」(野村)