ベテラン編集者も絶賛!タイ・プーケット「ラグジュアリー美食リゾート」注目ヴィラのディナーをレポ
今回宿泊したオーシャンビュープールヴィラは、なんと総面積240平米。96平米のベッドルームにはキングサイズのベッドがゆったりと置かれ、贅沢な空間にワーキングデスクとソファが趣味よく配されています。ベッドに寝転ぶと目の前に広がるのは、プライベートプール越しにきらめく青いアンダマン海と空。流れる雲を眺めているだけであっという間に時間が経ってしまうでしょう。
隣のヴィラとの距離も十分で完全なプライバシーが守られる造り。10メートルの専用プールで、たとえ裸になって泳いだとしても、誰にも見られることはありません。プールサイドのデッキで飲み物を飲みながら読書をしたのですが、ほかにゲストがいるのか?と思うほど静けさに満ちていました。
「TRISARA」の宝ともいえるレストラン「PRU」
さて、そんな「TRISARA」ですが、オープンから20年の間に最も進化し続けているのがレストランです。旅の目的にしたくなる唯一無二のレストラン「PRU」の予約をしてからホテル滞在日を決めましょう。このレストランの存在こそが「TRISARA」をいままで以上に特別な存在にしていると言っても過言ではありません。
ここ「PRU」はいい意味でリラックスムード全開のリゾート感はありません。アンダマン海を借景にした“キッチン”といういわば料理人たちの舞台を存分に眺められるカウンターは、非常に都会的で洗練された雰囲気をまとっています。そのオーラは、これから登場する料理が非常に繊細に計算して作られ、研ぎ澄まされたものであることを予感させます。 シェフを務めるのは、オランダ人のジミー・オーフォスト氏。2014年、「TRISARA」の料理部門のチームに加わり、2018年には弱冠29歳にしてPRUの総料理長になってすぐにミシュラン一ツ星を獲得。ちなみにタイ国内のミシュランの星付きレストランは、バンコク以外の地域ではこの「PRU」が唯一の店です。
スペシャリテ「ドリアン キャビア」というひと皿。深い海の色にも見える緑色の液体をたたえた白いオブジェのようなものを、ひと口で食べると口に広がるのはクリーミーで繊細な甘さ。鼻からは薪の香りとドリアンの香りが混じり合いながら抜け、異国の媚薬を嗅いだかのように恍惚とします。 この白いオブジェの正体は、ドリアンを6時間ほど薪で焼き、その実をムース状にしてほんの少しマスカルポーネを加え、カカオで型にしたもの。ドリアンといえば、強烈なにおいを思い出しますが、薪火でじっくりと焼くことで香ばしさが加わり上品な香りに。そこに紫蘇の葉で作った緑のソースが混じり合うことで、爽やかさも加わります。下に敷いてあるのは、ホアヒン産のキャビア。マイルドなキャビアの塩気が全体の味を引き締め、ひと皿をまとめ上げています。