伊藤洋輝のバイエルンでの活躍に懐疑的な見方も…独メディアが指摘する「大きな問題点」とは?
高価なスカッドプレーヤー?
バイエルン・ミュンヘン入りの日本代表DF伊藤洋輝は新天地でもレギュラーとしてプレーできるのだろうか。ドイツ『シュポルト1』が分析した。 バイエルンは先日、今季シュトゥットガルトの2位フィニッシュに貢献した主力メンバーの1人である伊藤を獲得したことを発表。以前から動きが報じられていなかっただけに、多くのドイツメディアも「サプライズ移籍」として報道した。左センターバックや左サイドバックをこなすポリバレント性に触れられるなど、ポジティブに伝えられている。 一方で、やや懐疑的な見方もあるようだ。『シュポルト1』は伊藤のスタッツに言及。記事では「センターバック、左サイドバック両方で目立つほどのパフォーマンスの差がなくプレーできる。この代表選手は強力の左足での正確なダイアゴナルパスがトレードマークだ」と紹介しつつ、『Sportec Solutions』の今季のデータを基に分析した。 「特にイトウのオン・ザ・ボールでのクオリティには目に留まるものがある。この日本人選手はバイエルンも実践するシュトゥットガルトのコントロール式ビルドアップ・プレーの中で非常に多くのボールタッチ(90分で93回)を記録している。そして彼のパスの90%は成功した。これはリーグ全体でも良いスタッツと言えるだろう」 「しかし、バイエルンのスターたちのスタッツを見ると、イトウはこの点で少しばかり劣っているのかもしれない。97%という(マタイス)デ・リフトの印象的なパス成功率に加え、キム(ミンジェ)も95%、(ダヨ)ウパメカノとエリック(ダイヤー)もそれぞれ95%と、このカテゴリーでのトップ級の数字を叩き出したのだ」 また、「攻撃に向けた決定的なアクセント」を伊藤の大きな長所と見る同メディアだが、「彼は今季合計20のシュートチャンスを演出した。ウパメカノ(6)、デ・リフト(4)、キム(8)、ダイヤー(2)の合計した数字に匹敵する」とも指摘。とはいえ、シュトゥットガルトでは2アシストを記録したが、「18本ものシュートを自ら放つもゴールを奪えなかった」と伝えている。 『シュポルト1』が「大きな問題点」とするのは「バイエルンらしくないデュエルの勝率」の模様。「彼は今季のシュトゥットガルトではデュエルの54%しか制していない。バイエルンではデ・リフトはデュエル勝率66%と突出している。時折ミスを犯すこともあるキム(61%)やウパメカノ(59%)もこの点、イトウより良いスタッツを残した」とし、次のように続けている。 「空中戦での差はさらに顕著だ。身長1.88mのイトウはその57%を制したのに対し、ウパメカノは身長2㎝低いにも関わらず73%と素晴らしい勝率を記録した。キム(72%)やダイヤー(70%)、デ・リフト(68%)も空中ではシュトゥットガルトからやって来た新加入より大きな存在感がある」 同メディアはさらにバイエルンが獲得に動いているとされるレヴァークーゼンのDFターも「デュエル(63%)、パス成功率(96%)といずれもイトウを大きく引き離している」と言及。「堅実ではあるが、傑出したものではないスタッツは、新加入イトウはミュンヘンでは真の補強ではなく(高価な)スカッドプレーヤーとなることを示しているのかもしれない」と締めくくっている。