玉置玲央「確固たる自分をもちつつ頑固ではない“カッコいい爺さん”になりたい」
── 稽古の充実ぶりが伝わってきます。男性5人と鴻上さん、みなさん仲が良さそう。 玉置 はい、楽しいですし、充実しています。10年前に出演した時は、先輩方に食らいついていくという部分が強かったのですが、今は新しいメンバーで、新しい感覚で、新しい引き出しを開けて、それぞれの宝物を見せ合って「俺こんなの持ってるよ」「俺はこれを持ってる、交換しようぜ」みたいな感じでやれている。それがすごく面白いです。 ── 改めて『朝日』の見どころ、意気込みを聞かせてください。 玉置 高校生の頃から、諸先輩方から「見たほうがいい」「(台本を)読んだほうがいい」とずっと言われていた作品です。実際に観て、衝撃を受けて、いつか何かしらのかたちで関わらせてほしいと思っていたところ、10年前に少年役で出演させていただく機会を得たことは、ご褒美のような体験でした。その後、10年、またそういった体験が待ち受けていたらいいなって思いながら頑張ってきた気がします。 『朝日』は、僕だけじゃなく、いろいろな人の脳裏や魂に楔(くさび)として刺さっている作品です。今回、10年ぶりの上演となりますが、今回の公演が誰かの心に刺さって、いつか上演したいとか出演したいとか、僕が初めて『朝日』を観た時に感じたように、「『朝日』に人生を狂わされた」と思ってくれる方がいれば、万々歳だし、とても素敵なことだと思います。
● 玉置玲央(たまおき・れお)
1985年生まれ。東京都出身。劇団「柿喰う客」に所属し中心メンバーとして活躍している。舞台『リア王』『ジョン王』『パンドラの鐘』『ゲルニカ』など、舞台を中心に活動してきたが、近年は映像作品にも活躍の場を広げ、2018年の『教誨師』で第73回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。主な出演作に、大河ドラマ「光る君へ」、ドラマ10「大奥Season2」、連続テレビ小説「おかえりモネ」、「恋する母たち」などがある。