政府、半導体支援で新たな国債発行を検討 NTT株配当金を原資に
政府が、半導体産業の支援について新たな国債を発行して資金を調達する方向で調整している。原資として、国が保有するNTT株の配当金などをあてる。先端半導体の量産化を目指すラピダスなどを念頭に、工場や設備の投資への補助をする見込み。 政府は半導体産業支援で5年超に及ぶ支援計画の枠組みを作り、月内にまとめる経済対策で示す。2025年の通常国会で、関連法案の提出を目指す。計画を示すことで民間からの資金を得やすくする狙いもある。 発行を検討する国債は、NTT株など国が保有する株式からの配当金を償還の財源とする。支援にはGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債の活用も想定する。 ラピダスが目指す27年の量産開始までに、約5兆円の資金が必要とされている。政府は既に約1兆円を支援しており、4兆円規模の資金をどう調達するかが課題となっている。 支援の枠組みについては、ラピダスや他の半導体企業の新事業も含め、政府による補助から徐々に民間の出資や融資に移行し、事業が確立するまで後押しする方針。【加藤美穂子】