新十両の若碇&琴栄峰に母校・埼玉栄高から化粧まわし「同じ屋根の下で育った2人…」山田監督感慨
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)で新十両昇進を果たした若碇(19=伊勢ノ海部屋)と琴手計改め琴栄峰(21=佐渡ケ嶽部屋)に、母校の埼玉栄高から化粧まわしが9日までに贈られた。 スクールカラーの鮮やかなオレンジ色に、校章が入ったデザイン。大関・琴桜(26=佐渡ケ嶽部屋)や関脇・大栄翔(30=追手風部屋)を始め今場所の番付上で計15人の関取が同校OBであり、土俵入りで必ず目にするおなじみの化粧まわしだ。同校出身の関取はこれで29、30人目に到達。恩師の山田道紀監督(58)は「気が付けば30人目。うれしい限りですね」と感慨を込めた。「貴景勝(元大関)と妙義龍(元関脇)が引退して、その後に新星が出てきた。追いつけるように頑張ってほしい」。秋場所限りで土俵を去った同校の大先輩たちに続く活躍を期待した。 琴栄峰は2022年卒で、若碇は2023年卒。つい最近まで高校生だった1学年違いの2人が同時に関取昇進。山田監督は「同じ屋根の下で兄弟のように育っている。2人ともコロナ禍も経験しているし、本人たちは寮生活が思い出深いみたい」と回想し「勝っても負けても思い切りあの子たちらしい相撲を取って、ケガなく頑張ってほしい」と激励の言葉を贈った。 歴代の偉大な先輩たちが締めてきた埼玉栄の化粧まわしは、2人にとって憧れのもの。ともに母校愛は強く、若碇は「もともと弱かったけど栄高校で山田先生に出会って人生変えてもらった」と感謝しており、琴栄峰は改名時に「しこ名に栄の字を入れたいと入門した時からずっと思って憧れていた」と話していた。新十両場所の初日を前に憧れの化粧まわしが届き、喜びとともに関取昇進の実感も増した。 若碇は高校3年間、琴栄峰は中高6年間を埼玉栄相撲部の寮で過ごす中で、ともに全国トップレベルの選手に成長。プロ入り後もさらに力を伸ばしてスピード出世を果たした。関取70人中15人と2割強を占める角界の一大勢力。埼玉栄魂を受け継ぐ新たな期待の若手に注目だ。あす初日、若碇は母校の5年先輩で再十両の栃大海(25=春日野部屋)と、琴栄峰は再十両の生田目(22=二子山部屋)と対戦する。