巨大地震で何度も起きた悲劇…大震災で日本人の命を奪う「意外なモノ」の正体
2024年1月1日、能登半島地震が発生した。大地震はいつ襲ってくるかわからないから恐ろしいということを多くの人が実感した出来事だった。昨年には南海トラフ「巨大地震注意」が発表され、大災害への危機感が増している。 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
ブロック塀が命を奪う
巨大地震の発生時、住宅の崩壊や火災などに備える人は多い。 それ以外にも、コンクリートブロック塀が人の命を奪う事故がたびたび起きている。 〈大地震によるブロック塀などの倒壊被害は後を絶たない。 1978年の宮城県沖地震ではブロック塀や門柱が倒壊し、18人が犠牲となった。2005年にも福岡県西方沖地震で塀が倒れ、1人が命を失っている。 危険なブロック塀は地震の揺れに脆く、崩れる。最も危ないのは古い壁の上にブロック塀を増設した場所で、頭上より高い地点からコンクリートの塊が頭に降ってくるケースだ。 2016年の熊本地震の際は、所有者の自宅敷地の境界線付近に設置されたブロック塀が前震で倒れ、下敷きになった29歳の男性が亡くなり、1人が負傷した。 2018年の朝に起きた大阪府北部を震源とする地震では、大阪府高槻市の小学校でブロック塀が倒壊し、登校中の小学4年生の女児が亡くなっている。高さ約1.9メートルのプール基礎擁壁に1.6メートルのブロック塀を積み上げており、建築基準法施行令に違反していたという。〉(『首都防衛』より) コンクリートの塊が頭に降ってくる事故に遭わないために、どうしたらいいのだろうか。
危険ブロック塀のチェックポイント
ブロック塀かどうかを見分けるポイントを紹介しよう。 〈国土交通省が示す危険ブロック塀のチェックポイントは、(1)塀は高すぎないか(地盤から2.2メートル以下か)、(2)塀の厚さは十分か(10センチ以上か)、(3)控え壁(塀に直交して突き出した壁)はあるか、(4)コンクリートの基礎があるか、(5)塀に傾き、ひび割れはないか、(6)塀に鉄筋は入っているか──の6点だ。これらの一つでも問題があれば「危険な塀」と考えられる。〉(『首都防衛』より) 『首都防衛』では、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火という過去にも起きた「恐怖の大連動」に備える必要性を説く。常に最悪のシミュレーションを頭に描きながら「そのとき」に備えたい。 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。
現代新書編集部