VWと言えばゴルフGTI。最高にカッコよかった初代の他に魅力的なのは?
自動車ジャーナリストのレジェンド岡崎宏司氏が綴る、人気エッセイ。日本のモータリゼーションの黎明期から、現在まで縦横無尽に語り尽くします。 岡崎宏司の「クルマ備忘録」 初代フォルクスワーゲン(VW)ゴルフGTIのカッコよさに感激し、以来、GTIに特別の愛情を傾け続けてきた筆者。「断然好き」から「かなり好き」まで歴代GTIの魅力を振り返っていただきました。
「ゴルフGTI」への強い想い!!
前回のフォルクスワーゲン(VW) トランスポーターの原稿でも、ゴルフGTIにはあれこれ触れたし、僕がゴルフGTI好きなことは前から何度も触れている。 1975年にデビューした初代GTIは、全長が3725mm、重量が810kg。そんなコンパクトで軽量なボディを182km/h で走らせ、0~100km/hを9秒で駆け抜けた。 50年前の大衆向け小型車としては「驚異的!」なパフォーマンスだった。 加えて、ジウジアーロの手になるデザインはカッコよかった。とくにイメージカラーの黒いボディと、赤で囲われたラジェーターグリルのコンビネーションは、ドキドキするほどのカッコよさだった。
そんなゴルフGTIには、単にクルマ好きが大騒ぎしただけでなく、ファッション好きもまた大騒ぎした。当然だと思う。 今でも、きれいに磨き上げられた黒の初代GTIが街を走っていたら、最新の装いを纏ったクルマと同等、、いや、それ以上に熱い視線、多くの視線に追われるかもしれない。 その視線には、旧き良きもの、珍しきものを追う視線とともに、「純粋にカッコよさを愛でる視線」もまた、多く混在するのではないかと思う。 初代GTIをフルレストア。上質な黒の塗装を纏い、タイヤとホイールだけはオリジナルの雰囲気を損なわない範囲で新しいものを履かせる、、、想像しただけでワクワクしてくる。 とにかく、僕はゴルフGTI が好きだが、なかでも「断然好き!」なのが初代、「かなり好き」なのが、2代目、6代目、7代目だ。 ただし、初代GTIが「断然好き!」なのは、単に、表面的な魅力に引き寄せられるからだけではない。