2500万円超え「レンジローバー」を山道でゴリゴリに転がしてみた結果
● めったにガソリンを使わない PHEVならではの工夫とは? ここで小ネタをひとつ。本編でフェルさんも気にしていましたが、日常使いの多くを電気で走るPHEVは、ガソリンの使用頻度が一般的なエンジン車に比べて極端に少なくなります。そのためPHEVならではの工夫が施されています。 上の写真は私がマツダ MX-30ロータリーEV(シリーズハイブリッド方式のPHEVモデル)に試乗した際に撮影したもの。試乗車を返却する前に給油と洗車をしようとしたのですが、給油口のフタを押しても、全然開く気配がない。ガソリンモデルはフタを押すことでパカッと開くので、「何か引っかかったのかな。給油できないのはマズいぞ……」と、取扱説明書を開いたら、ロータリーEVはステアリング右側の給油口ボタン(給油機のマークがついたボタン)を押してフタを開けると書かれていました。 なぜガソリンモデルとは違う仕組みになっているのかをマツダ広報に聞いたところ、以下のような回答がありました。 「通常、ガソリン車は燃料タンクから発生する燃料蒸発ガスをエンジンで処理しますが、ロータリーEVはEV走行によりエンジンが停止し燃料を長期で使わない可能性があり、燃料蒸発ガスを十分に処理できません。そのため密閉タンクを採用し、タンク内を高圧にして燃料蒸発ガスの放出を防いでおります。また、給油時は燃料キャップを開けた際にガソリンが噴出しないよう、あらかじめタンク内を減圧します。給油スイッチを押してから長い時で数十秒ほど給油リッドが開かないことがありますが、減圧処理に時間がかかっているためです」 給油口のフタがボタンを押さないと開かないようになっているのも、安全性に配慮してのことなのですね。今回私はレンジローバーに試乗していませんが、試乗の機会があったらこのあたりも確認してみようと思います。
フェルディナント・ヤマグチ