万博へ期待ぐんぐん、海外パビリオン徐々に姿…開幕まで5か月
2025年大阪・関西万博は13日、開幕まで5か月となった。建設の遅れが懸念されていた海外パビリオンの建物が姿を現し、担当者も大阪入りし始めた。機運が徐々に高まる中、招待客の来場枠の確保など新たな課題が浮上している。(社会部 石見江莉加、中西賢司) 【図表】主な参加国・地域の出展タイプ
「建屋を完成させてくれてありがとう」。7日、会場の大阪・ 夢洲ゆめしま を視察したブラジルのジョルジェ・ビアナ貿易投資振興庁長官は、同国パビリオンの鍵を受け取り、本国メディアの前で笑みを浮かべた。鉄骨や柱はまだむき出しだ。 ブラジルはアマゾンの熱帯雨林をテーマにしたパビリオンの自力建設を断念。プレハブ建屋に変更し、展示内容の充実に注力する。外壁を「日本の太陽」をイメージした金色に塗装して仕上げる。 来年は日本との外交樹立130周年。1908年の笠戸丸から始まった日本の移民など、両国は、地球の裏側にある距離の壁をこえて交流を重ねてきた。 ルラ大統領は、縮小する対日貿易の立て直しを重視し、万博訪問も取り沙汰されている。万博を通して両国の企業間交流が活性化するとみられ、ビアナ氏は「万博は、ビジネス活性化にとって貴重な機会になる」と期待する。
海外パビリオンを巡っては、コロナ禍後の資材価格の高騰や人手不足で建設業者探しが難航してきた。日本国際博覧会協会(万博協会)の働きかけで、ブラジルやアフリカのアンゴラなど5か国が、参加国が自前で建設する「タイプA」から、協会が建設を代行する簡易型の「タイプX」に移行。いずれの国も月内にも建屋が完成するという。 昨夏以降、国が建設業界に協力を強く要請。最終的に「タイプA」を選んだ47か国の多くも骨組み工事を終え、外壁工事など「次のフェーズ」(北欧5か国)に入った。最後まで手つかずだった地中海の島国マルタも、今月になって着工の見通しが立った。 本国とパビリオンをつなぐ担当者の現地入りも目立ってきた。ポルトガル館のベルナルド・アマラル館長は2日、大阪市内に居を構えた。スタッフや警備員の確保、電気や水道の契約を進めるといい、「来館者に展示やポルトガル料理を楽しんでもらう日が待ち遠しい」と話した。北欧5か国の担当者も来日した。