「全世界株インデックス」でも30年で430万円の差が…投資のプロが明かす買ってはいけない投資信託
国の基準を満たす投資信託は、【つみたて投資枠】約300本、【成長投資枠】約2000本…「国が認めたからOK?」
新NISAは、投資から得られる利益(売却益・配当金・分配金)にかかる約20%の税金が一生涯かからない制度です。1人あたり1800万円まで投資ができます。 【後悔しても遅い!】資産額は、20年後は約136万円の差、30年後は約430万円の差に… つみたて投資枠では、国が定めた基準を満たす、約300本の投資信託・ETFに対して積立投資ができます。成長投資枠では、個別株、REIT、ETF、投資信託と幅広い商品に、一括投資または積立投資ができます。成長投資枠で選べる投資信託は約2000本あります。 両投資枠は併用可能なので、さまざまな使い方ができます。 しかし、新NISAだからといって、どんな商品を買ってもいい、というわけではありません。新NISAの対象商品の中には、買ってはいけない「投資信託」もあります。 ◆新NISAで買ってはいけない投資信託①:信託報酬の高い「インデックス型」投資信託 つみたて投資枠で投資ができる商品は、国が定めた条件をクリアした投資信託・ETFですが、具体的には次のような条件です。 細かい条件はいろいろあるのですが、注目すべきは信託報酬です。 たとえば、インデックス型投資信託の場合、国内資産に投資するものならば年0.50%以下、海外資産に投資するものならば年0.75%以下が条件となっています。 この信託報酬の条件により、’24年2月29日現在、指定インデックス型投資信託が227本に絞られているので、「厳しい条件」に思えますが、実はそうでもありません。というのも、信託報酬が年0.50%以下、年0.75%以下において、高いもの低いものが混在しているからです。 全世界の株式市場に1本だけで手軽に分散投資ができる【全世界株インデックスファンド】で一番人気のあるファンドは三菱UFJアセットマネジメントが運用する『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』です。「オルカン」の愛称で投資家に知られる投資信託であり、’24年3月1日時点の純資産総額は2兆6358億円となっています。 オルカンの信託報酬は、年0.05775%です。 しかし、【全世界株インデックスファンド】は『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』の他にもたくさんあります。そして、商品ごとに信託報酬はバラバラです。 たとえば、『全世界株式インデックス・ファンド』(運用会社:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)というものがありますが、信託報酬は年0.528%です。また、『eMAXIS全世界株式』(運用会社:三菱UFJアセットマネジメント)は運用会社がオルカンと同じで、限りなく商品名も似ていますが、信託報酬は年0.66%です。 つまり、全世界株がいいからと、適当に商品を選んでしまうと、信託報酬の高いものを買って大損するというわけです。