「全世界株インデックス」でも30年で430万円の差が…投資のプロが明かす買ってはいけない投資信託
指摘はもっともですが、1年待たないと結果が分かりません。さらにファンド間で実質コストに差が出たとしても、0.1%程度の軽微な差である可能性は高いと考えられます。 よって、あまり気にする必要はないとは個人的に思いますが、実質コストの差が毎年0.1%を超える水準であるならば、実質コストを踏まえて商品選択をされるとよいでしょう。 とはいえ、実質コストの大部分を占めるのは信託報酬という事実は変わりません。 新NISAでは信託報酬ができる限り安い商品を選ぶようにすれば、全く問題ないかと思います。 ◆新NISAで買ってはいけない投資信託②:「ターゲットイヤー型」の投資信託 「ターゲットイヤー型」は、時間経過につれて、自動的にリスク資産の比率を少なくしていく商品です。リスク許容度(いくらまで損に耐えられるかの度合い)は、一般的に年齢が上がるにつれて低くなります。 ターゲットイヤー型は、投資信託を保有する人が若いうちは株式の比率を高めて高いリターンを狙い、年齢が上がるにつれて徐々に債券の比率を高めてリスクを減らして堅実にリターンを狙うという風に、資産配分を自動的に変更する運用を行います。 一見、年齢によるリスク許容度の変化に合わせて資産配分を変える便利な商品といえますが、信託報酬が通常の「バランス型(配分比固定型)」より高いのが難点です。 ’24年2月29日現在、新NISAのつみたて投資枠では20本ラインアップされています。成長投資枠も合わせると31本です。 つみたて投資枠対象には、例えば『野村資産設計ファンド(DC・つみたてNISA)2060』がありますが、信託報酬は年0.462%です。成長投資枠には信託報酬がもっと高い商品があります。『アライアンス・バーンスタイン・財産設計2050』は年1.59%です。 まず、株などのリスク資産の比率を下げて、リスクの低い債券に配分変更するのになぜそんなに高い手数料を支払う必要があるのかと不思議に感じます。 新NISAでは自由に資産を売却して引き出すことができますし、売却枠も翌年に復活します。年齢によって資産配分を変えたいのであれば、自分で資産を売却したり、入れ替えたりして調整すればいいだけのことです。 また、「年齢によるリスク許容度の変化」は必ずしも万人に当てはまるものではないですよね。人生100年時代といわれ長生きする人が増えている今、50代・60代はまだまだ資産を増やす資産形成期です。年齢だけを理由にしてリスクを減らし、増やせる機会を逃すのは勿体ないです。