「家族みんなでキャリア考える」 妻の海外赴任に同行した〝駐夫〟 元記者の小西一禎さん
永田町や霞が関のあの1キロ四方は、マッチョじゃないと生きていけない。「男性のような働き方、考え方」をしないと勝ち抜いていけない世界だと思っていた。私もそんな男性優位社会に十分に漬かっていて、「時短勤務の女性は使いにくい」などと考えていました。「日本の中心で国の行く末を扱っているんだ」という自負があって、それを家庭の中でも出していた。
〝駐夫〟を経験して、当時の自分を相対化できるようになりました。極めて狭い価値観の中で生きていたんだなと。まったくおかしいし、ゆがんでいました。妻にも子供にも当然キャリアがあるわけです。男だからと一人で背負わず、家族みんなで団体戦でキャリアを考えればいいんですよ。(聞き手 山本玲)
■小西一禎
こにし・かずよし 昭和47年生まれ。埼玉県出身。ジャーナリスト。共同通信社入社後、政治部で首相官邸や外務省などを担当した。妻の米国赴任に伴い、会社の休職制度を活用し渡米。在米中に退社した。法大大学院で修士(政策学)を取得。「世界に広がる駐夫・主夫友の会」代表。
11月19日は男性の健康や幸福に目を向ける国際男性デー。多様性の尊重が叫ばれる令和の時代、男性の生き方にも異なる角度から光が当たり始めている。病、夫婦関係、働き方、家族のあり方-。きっかけを得て価値観を転換し、人生を見つめ直した男性たちに話を聞きます。(随時掲載)