電気の「Gクラス」は工夫満載! メルセデスのプロダクトマネージャーに聞く
G580はV8サウンドにインスパイアされた専用のドライビングサウンドを車内外で再生する「G-ROAR」というシステムを搭載。加速や車速、モーター負荷、騒音レベル、DYNAMIC SELECTのモード(走行モード)に応じて変化するサウンドが他のEVとは全く異なる走行体験をもたらす、とのことだった。 EV化で静粛性は格段に向上しているそう。車内の騒音レベルでいうと、エンジン車が100km/hで走っている状態とG580が130km/hで走っている状態が大体同じだという。 ■バッテリーを守る超堅牢な仕組みとは? 伝統的なラダーフレーム(悪路走破性が高いはしご状のプラットフォーム)に容量116kWhのバッテリーを組み込んであるG580。これを守るのが車体の下っ面に取り付けた「アンダーボディプロテクション」というパネル状のパーツだ。 どのくらい頑丈なのか。「このパネルに、1辺5cmの四角い面を当てがって(支点にして)G580を持ち上げた場合、その状態でクルマの上にディーゼルエンジン搭載のGクラス3台を積み重ねても大丈夫です」。メンテルさんが持ち出した例え話はこんな感じだった。持ち上げた状態で重さを加えていっても、10.5トンまでなら耐えられるそうだ。かなりの重量をかければパネルは少し「たわむ」ものの、バッテリーとの間に隙間があることもあり、バッテリーそのものがダメージを受けることはないという。
悪路走破を得意とするGクラスは渡河性能も高い。G580は水深85cmまでなら平気という説明だ(G450dは70cm)。床下のバッテリーに水が入ると危険なのでは? と思ったのだが、メンテルさんによればG580のバッテリーパッケージは完全にシールされている。バッテリーの温度を50度まで上げて、かなり冷たい水の流れる河に入るという過酷なテストを40回実施しても問題なかったそうだ。熱いものを急激に冷やせば収縮するはずで、やわなパーツであればピキッといきそうなところだが、G580のバッテリーパッケージは問題なくテストを乗り越えたとのことだった。 ■電動化でオンロードの走りも進化? ついついオフロードの走破性に注目したくなるG580だが、オンロードの性能も向上しているとメンテルさん。各タイヤにモーターを搭載するG580は、それぞれのタイヤでトルクを独自に制御できる。この「トルクベクタリング」機能により、普通の道路でもダイナミクスがよくなっているのがG580の特徴だという。例えば左に曲がるときは、右の(外側の)タイヤにトルクを多めに流すことで旋回性能を向上させる、といった具合だ。