“部屋着にならない”アーティストTシャツを目指す ユニバーサルミュージックのグループ企業が手掛けるブランド「ユーミュージック」とは?
堀内:「部屋着になるか、ならないか?」は、「ユーミュージック」の“ブランド力”次第。そして「ユーミュージック」の“ブランド力”が高まり、アーティストのIPを活用した洋服が多くの人の日常生活に溶け込めば、アーティストのためにもなる。ゆくゆくは邦楽アーティストにも興味を持ってもらえるような存在になりたい。邦楽アーティストのブランディングはこれまで、海外公演をすることそのものだったが、ここ数年でビジネスとして成功させようという意識が生まれている。邦楽アーティストが海外進出する際にも、ファッションで後押しできるブランドになるよう育てたい。
従来のライセンスやロックTとの違い
WWD:これまでブラバドも手掛けてきたブランドコラボとの違いは?
堀内:コラボは、どうしても相手先のブランドストーリーに沿った商品作りになってしまう。一方「ユーミュージック」では、アーティストを軸に商品企画ができる。これは「アーティストの思いを適切に商品に落とし込む」という私たちの本懐。Tシャツのグラフィティーに興味を持った人がアーティストを好きになるなど、「ファッションから音楽へ」という人の流れを作りたい。
WWD:一方、市場にはすでにロックバンドのビンテージTシャツなどが存在し、近年ますます熱視線が注がれているように思う。
堀内:別のマーケットだと思う。時に消費者は重複するだろうが、既存の商品は歴史や希少性、「ユーミュージック」の商品はファッション性と、それぞれ別の魅力を放つものなので共存できる。むしろ、「ユーミュージック」の商品がビンテージとして後世も愛されるよう、モノ作りを追求したい。
山崎:「ユーミュージック」の目標は、あくまでファッションを入り口としてアーティストを知ってもらうこと。ロックバンドのビンテージTシャツを求めている人は、すでにアーティストが好きな人が大半だろう。商品を手に取る動機に大きな違いがあると思う。