“部屋着にならない”アーティストTシャツを目指す ユニバーサルミュージックのグループ企業が手掛けるブランド「ユーミュージック」とは?
堀内:ライセンスビジネスでは、例えばアーティストが来日するタイミングでのポップアップなど、我々が売り出したいタイミングで商品を企画・製作できないもどかしさを感じていた。このジレンマが「ユーミュージック」の立ち上げを後押しした。
WWD:さまざまな商品が考えられる中、まず「ユーミュージック」ではファッションに注力する。
堀内:これまでのライセンス先は、約9割がファッション企業だった。音楽とファッションは、切っても切れない関係。音楽がコレクションの着想源になることは珍しくない。
山崎:ビームスのバイヤーを務めていた頃から、音楽に着想した洋服を数多く見てきた。だから音楽とファッションの関係を、ツアーグッズだけに留めたくない。もともと、アーティストとのコラボをファッション業界に深く浸透できないかと考えていた。「ユーミュージック」での役割は、商品をディレクションするだけでなく、従来通りのライセンス事業も発展させてブランドとのコラボを仕掛けること。特に国内の中堅ブランドとアーティストとのコラボは少ないので、「ユーミュージック」が一助となれば嬉しい。
堀内:「ユーミュージック」が企画・製造・販売する洋服が広く認知されれば、さまざまなアパレルブランドにファッションと音楽の親和性が伝わり、ライセンス事業も今まで以上に活発になるだろう。
音楽とファッションが交錯するモノ作り
WWD :具体的に、どのような商品に仕上げたのか?
山崎:部屋着ではなく、一張羅として着られる商品を作りたかった。ブランドの核となるTシャツは、「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」の丸龍文人デザイナーにパターンを依頼した。従来のツアーグッズとは一線を画す、ファッション好きにもアピールできるTシャツに仕上がったと思う。ツアーグッズでは大きくフロントプリントしがちなグラフィティーを、「ユーミュージック」ではバックプリントすることもある。ちょっとした機転でコーディネートに取り入れやすくなるはずだ。まずは半袖TシャツやロンT、スエットからスタートし、今後は重衣料や小物なども検討したい。