【現地取材】アカデミー賞を占う重要イベント! クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)とは、どんな映画賞?
2024年に入ってから、ハリウッド最大の祭典、アカデミー賞に向けて、さまざまな映画賞が開催されている。1月の第1週目にはゴールデングローブ賞、その翌週(1月14日)にはクリティックス・チョイス・アワード(CCA/放送映画批評家協会賞)と、ともにスターが一同に会する豪華な授賞式が続いた。ゴールデングローブは、もともとハリウッド外国人映画批評家協会(HFPA)の100人弱の投票で決まる賞だったが、ここ2年ほどでアメリカ以外に在住のジャーナリストも加え、300人近い投票者へと変化。一方のCCAは、アメリカ・カナダの批評家=クリティックス、ジャーナリストを中心に約650名の会員が投票する(少数だが海外の会員もいる。筆者もその一人)。 ゴールデングローブもCCAも、映画だけでなくTV部門もある。その分、候補者の俳優の数も多い。また、アカデミー賞は映画業界人による投票だが、この2つの賞と同時期にノミネート投票が行われるので、アカデミー会員が2つの賞の結果を参考にするのは間違いない。さらに大劇場で行われるアカデミー賞との大きな違いは、ゴールデングローブもCCAも、候補者たちがホテルなどの大宴会場のテーブルの席につき、飲んで食べて、楽しく談笑しながら授賞式を見守る、という点。酔っぱらってしまうスターも多く、とても和やかな雰囲気なのである。
CCAは今年で29回目。例年はビバリーヒルズのホテルで開催されていたが、今年はホテルのストライキの影響もあり、なんとサンタモニカ空港の飛行機格納庫で授賞式が行われた(同空港はビジネスジェットやプライベートジェット専用)。巨大な空間が超ゴージャスなショーの舞台に様変わり。ノミネートされた俳優や監督たち、プレゼンターを務めるスターたちの他に、スタジオの関係者、そして投票者であるCCAのメンバーが、それぞれのテーブルで授賞式を見守る。
例年のホテルと違って、レッドカーペットを歩いてきた出席者が、まず格納庫の入り口に作られた巨大なロビー兼バーに集結。授賞式を前に、誰もが早くも飲み物を片手に大騒ぎ。スターたちも気軽に撮影に応じたり、かなりカオスな状態に! 『ゴジラ-1.0』が外国語映画賞にノミネートされていたので、山崎貴監督も日本から来たのだが、あちこちから声をかけられ、記念写真も頼まれたりと、かなりびっくりしていた。アメリカでのゴジラ人気を実感した様子。山崎監督も近くにいたブレンダン・フレイザー(昨年の主演男優賞)と楽しそうに会話。『スター・ウォーズ』の大ファンである監督は、その後、ハリソン・フォードと話すチャンスもあって感無量のようだった。