39歳で衝撃の現役復帰、星翔太はFリーグでやれるのか?【リアルインタビュー】|STAR is BACK
Fリーグに“スター”が帰還した。 2024年4月、日本代表の元キャプテン・星翔太が、現役を引退してから2年ぶりに復帰を発表し、フットサル界を驚かせた。 2009年にフットサル日本代表に初選出された星は、12年間日本代表として活躍。2021年に自身2度目のワールドカップに出場すると、決勝ラウンドのブラジル戦では先制ゴールを挙げ、人々の記憶にその名を刻んだ。 華々しくピッチから去った星はなぜ、もう一度Fリーグの舞台に戻ってきたのか。引退当時も、「まだやれる」と言われてきた男だ。当然、期待はある。ただし、今年で39歳を迎える彼がその“ブランク”を経て、本当にピッチで存在感を示せるのだろうか。 栄光は過去のものなのか。それとも、新しい伝説を生むのか──。 リーグ戦開幕を数週間後に控えたある日の練習を訪ね、星に話を聞いた。 取材=本田好伸 撮影・編集=伊藤千梅 ※取材は5月11日に実施
復帰の理由は「タイミング」と「ストーリー」
──単刀直入に伺います。星さんはなぜピッチに戻ってきたのでしょうか? 本当に、タイミングですね。それと、全部の状況がうまい具合に重なったから。 ──チームからオファーをもらった? そうですね。自分から話をしたことはなくて、クラブからオファーをもらいました。 最初は、岡山(孝介)さんがしながわシティの監督を辞めた後にお会いする機会があって、「ストーリーがあればFリーグに戻ることもあるかも」と話していただけです。 ──そこから具体的な話をもらった。 そうですね。実際に話をもらったのは今年に入ってからで、元すみだで現在はクラブのフロントで働いている大黒章太郎から「選手をやれないか」という話がありました。その時は、「家族と話してから」という返事をしました。 ──大黒さんから話があると聞いて、“予感”をしていたんですか? 連絡が来た時点で、なにかしらクラブに関わってほしいという話ではあると思っていました。オファーを聞いた時は、驚きはありませんでした。ただ、言い方は良くないかもしれないですが、率直な感覚としては、引退して2年経った僕に声をかけたいと思うようなチーム状態なのか、とは思いました。 でも、そういう状態であることと、章太郎がフロントに入っていること、それに、岡山さんが監督に就任して、(星)龍太もいる。なおかつ、古巣のすみだというところで、まさにタイミングと状況がすべてそろったストーリーだと思って復帰しました。 これが一つでも欠けていたら、復帰していなかったですね。例えば、岡山さんが他のクラブの監督に就任したとか、龍太がいなかったら戻っていなかったと思います。 ──弟の龍太さんの存在は大きい? 大きいですね。ようするに「すみだで兄弟でプレーすること」に価値があって、そこに、昔一緒に仕事をしていた岡山さんや章太郎がいて。全日本選手権で優勝した時のフウガらしさみたいなものを知っているのは僕と龍太しかいない。原点回帰というか、クラブに根付いているいいものを改めてやろうという時期であることも、復帰を決めた理由です。 ──ご家族とはどんな話をしましたか? 家族にはこういう話があって、自分としてはやりたいと思っていることを伝えました。奥さんは、子どもたちも見に行けるかもしれないし、やってみればいいんじゃないという感じでしたね。あとは、子どもの中学受験が終わったことも大きいですね。そうしたタイミングを含めて全部ぴったりでした。 ──お子さんとはどんな話を? 週末も練習や試合が入るかもしれないから、「手伝いをしてほしい」とは伝えました。奥さんに負担がかかったりもするので、協力してほしいという話をしました。子どもたちも「ちゃんと手伝うからね」と言ってくれました。