ヨンフォアオーナーにビッグニュース!! 当時の図面から復刻したCB400フォア用純正マフラーを三恵技研工業が限定販売!!
19万8000円は超バーゲンプライス! 限定300本を見逃すな
社内に半世紀前の製造図面があり純正マフラーを製造していた実績があるからといって、当時と同じ製品が簡単にできるわけではないのはここまでで説明してきた通り。メーカーの威信をかけて、と言うと大げさすぎるかもしれないが、昭和と令和であまりにも大きく変わりすぎたモノ作りの現場で温故知新をテーマに完璧な純正マフラーを復刻した三恵の開発陣は賞賛されるべきだろう。 ただし企業である以上、崇高な理念の前に経済的合理性をないがしろにすることはできない。そこで導き出されたのが「製造数300本」「税抜価格19万8000円」という二つの数字である。工業製品は一般的に生産量が増えるほど単価は安くなるものだが、いくらヨンフォアに人気があるといえ、何年にもわたり数万台レベルで製造されるニューモデルのマフラーとは比較にならない。 製造現場の事情としては、製造数が増えると素材成型用の金型を量産対応とする必要があり、そうなるとさらに大量に製造しなければ製品価格の上昇につながるジレンマが生じてしまう。そうして品質とコストのバランスを考慮した上で算出したのが、300本の製造数と19万8000円(税抜)という価格だった。参考までに、2020年前後のホンダCB400スーパーフォア用純正エキゾーストパイプ+サイレンサーの新品価格が22万円超であり、ネットオークションでヨンフォア用純正中古マフラーが10万円以上でやり取りされていることを思えば、ユーザーからすればバーゲンプライスと言って良いだろう。 また今回のヨンフォア用復刻純正マフラーはホンダの純正部品網ではなく、三恵が直接販売を行う。とはいえ三恵は製造メーカーであり販売部門を持たないため、いくつかのショップが販売を担当する。そのひとつが、30年以上に渡り絶版車を取り扱ってきたウエマツである。同社にとって、中型クラスを牽引する人気モデルの筆頭株であるヨンフォアの取り扱い実績が豊富な機種であり、飾り物や転売目的ではなく、実際に車両に装着してサウンドとスタイルを楽しんでもらいたいという三恵と思惑が一致した。 絶版車市場で人気のある機種には、必ずライダーの目を惹きつける独自の個性があるものだ。スタイリッシュなカフェレーサースタイルで一世を風靡したヨンフォアにとっては、市販車初の4into1は欠くことのできないアイコンである。昭和のデザイナーの感性と職人たちの技術を完全に再現した令和生まれの純正マフラーは、ヨンフォアユーザーのみならずモノ作りの継承という観点からも価値ある逸品となるだろう。 ──今回三恵が生産したヨンフォア用マフラーは複数のショップから販売され、ウエマツ東京本社もその1店舗となる。ウエマツの枝川寿副社長(左)は「ノーマルスタイルにこだわるヨンフォアファンにとって、当時の仕様で三恵技研が製造した純正マフラーは最高のアイテムになりますね」と賞賛。 ●文と写真:栗田 晃(モトメカニック) ●取材協力:ウエマツ ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。