同級生にイジメられ、無視されたことも…「大声で叫ぶのをやめられない」トゥレット症の20代女性が語る、病気を理解されずに苦しんだ学生時代
「この子はチック症かもしれない」両親が気づいたきっかけ
――わかるものなのですね。 へち 両親は、医療系の仕事に就いているのでピンときたんです。両足でピョンピョン跳ぶ動作をずっと繰り返してたらしくて。「もしかしたら、この子はチック症かもしれないね」と言ってたのが、だんだんと確信になっていって。
――両足でピョンピョンは、5歳ならありがちな動作っぽいですが。 へち やっぱり、違和感を抱くほど繰り返してたんだと思います。ただ、可能性が高いとなっても、さっきも話しましたけど、一時的に出て治まることはよくあることなので。 ――それは運動チックだったわけですね。音声チックは、いくつぐらいから? へち 音声チックは、幼稚園の年長さんあたりで。ブタがブヒブヒするみたいな感じで、鼻をガーガー鳴らすのをやめられなくて。止めたくても止められないというのがチック症なので。親に「やめられないの」と訴えてたそうで。私もさすがに記憶が曖昧なんですけど、同じクラスの男の子から「ブタじゃん」って言われましたね。やっぱり、言われてイヤだったのは覚えてます。 ――そうしたとき、両親はどんな言葉を。 へち 当時は特になにか言われた記憶もなく、見守っててくれたというか、そんな感じだと思うんですけれども。いずれ治まるかもしれないというのもあったでしょうね。
「ものすごいボリュームで、教室で叫び出し…」小学生時代の症状
――幼稚園や小学校で、自分以外にチック症の子はいましたか。 へち 小学生のとき、弟の友達でチックしてる子がひとりいて。「あの子チックしてるなあ」と思って、親に「チックしてたよね」って聞いたら「ああ、そうなのよ」って。 ――小学校とか、普通にいましたよね。目をパチパチやっている子とか。 へち そうです、そうです。ほんと、ちっちゃい子はけっこういるんですよ。 ――小学生になると、現れる症状も変化していったのですか。 へち 小学校は重症だった時期があって、叫び声が止められなくなったんです。ものすごいボリュームで、教室で叫び出すと、その階すべてに響き渡るくらいで。もちろん、学校の先生がクラスメートたちに私のことをちゃんと説明してくれて。おかげで、ある程度は理解してくれるようになりましたね。 叫ぶ症状のピークは小2からで、小1の頃は運動チックだけでした。いまもあるんですけど、首振りがやめられなかった。あまりに振りすぎて頭が揺れるから、頭痛がするほどで(笑)。