楳図かずおさん「胃がん」で逝去 前兆となる“5つの初期症状”や予防法を医師が解説
胃がんになりやすい人の特徴
それでは、胃がんのリスクを高めるような特徴を解説していきますので、チェックしましょう。 ・ヘリコバクター・ピロリ菌に感染している 胃がんの発生には、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が大きな要因となっています。そのため、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているとわかった場合には、除菌治療を受けるようにしましょう。 近年、簡便な方法で胃がんのリスクを判定できる「ABC検診」がすすめられてきています。 ABC検診は、胃粘膜の萎縮の程度を調べるペプシノゲンの量を調べる「ペプシノゲン法」と、ピロリ菌の感染の有無を調べる検査を組み合わせた方法です。これによって、AからDまでのリスクに分類され、推奨される検診の頻度や方法などがわかります。 ・塩分が多いものをよく食べる その他にも、食塩・高塩分食品を摂ることで、胃がんの発生率が高くなることも報告されています。 日本の4地域に住む40~59歳の男女について、食生活や喫煙などの生活習慣と、その後の10年年間の胃がん発生率との関係を調べた結果、食塩が多い食事を摂ると、特に男性で胃がんのリスクが上がることがわかっています。塩分濃度が高いものとしては、イクラや塩辛、練りウニなどがあったそうです。 ・タバコを吸う 胃がんの発生には、喫煙も関連しています。 先ほどの塩分の項でご紹介した研究で、喫煙と胃がんの関係についても解析されています。その結果、タバコを吸う人は、吸わない人に比べて2倍胃がんになりやすいことがわかりました。 ・大量飲酒 日本人の胃がんとお酒の関係について調べた研究の解析によると、男性の方で、お酒を大量に飲むと胃がんのリスクが高まることが報告されています。そして、お酒をたくさん飲む人は噴門部という胃の入り口あたりにできるがんが多くなります。 ・家族に胃がんの人がいる 親や兄弟といった第一親等の家族の方が胃がんになったことがある場合には、自分も胃がんになるリスクが高まる可能性がある、という報告があります。また、がん家族歴がある人とない人でのがん罹患リスクを調べた報告では、胃がんについて統計学的にリスクが上昇したとの結果が出ています。 しかし、がんの発生に対しては、家族歴の他にもさまざまな要因が関わってきますので、がんリスクをさげるような生活習慣や、がん検診を受けることが望まれます。