楳図かずおさん「胃がん」で逝去 前兆となる“5つの初期症状”や予防法を医師が解説
胃がんの前兆となる初期症状
では、胃がんの前兆となるような症状について解説します。 胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断のバリウム検査や内視鏡検査などで発見されることも多いとされています。一方で、下記のような症状も胃がんの初期症状の可能性として挙げられますので、チェックしていきましょう。 ・胃の痛み 胃がんの原因の一つであるヘリコバクター・ピロリ菌が胃に感染すると、慢性胃炎から萎縮性胃炎、そして胃の粘膜の変性、胃がんへと進んでいきます。その経過の中の慢性胃炎や萎縮性胃炎の症状として、胃の痛みが出るのです。 また、胃がんそのものによる痛みの可能性もあります。なかなか治らない胃の痛みがあるような場合には、消化器内科を受診するようにしましょう。 ・胃もたれ 胃もたれも、胃がんの背景となるヘリコバクター・ピロリ菌による慢性胃炎の症状のひとつとして挙げられます。もちろん、すべての慢性胃炎が胃がんに進行するわけではありません。しかし、胃もたれが長引く場合には消化器内科を受診したほうがよいでしょう。 ・胸やけ 胸焼けも、胃がんの初期症状の一つです。胸焼けは胃がんそのものによる症状というより、胃がんと同時に生じていることも多い慢性胃炎の症状として生じることがあります。 ・吐き気・げっぷ 胃がんの症状として、吐き気も挙げられます。がんが大きくなってくると、消化管の通過障害が起こり、胃の内容物が消化管を引き延ばすことで吐き気を催す、といったことが起こります。また、消化管内にガスがたまると、げっぷとして、音を伴って食道や口を経て体の外に排出されます。そのため、吐き気を伴うげっぷの症状がみられるような症状が気になるようであれば、念のため消化器内科を受診したほうがよいでしょう。 おならも、排ガスが増えるという点ではげっぷに似ていますが、胃がんによるゲップの原因は通過障害であるため、通過障害を起こしている部分より後ろ側の排ガスである“おなら”は胃がんとの関連は低いです。 ・黒い便 早期胃がんでも、がんから出血することで便に血が混じり、黒い便がでることがあります。 胃がんからの出血は、貧血の原因ともなります。 自分では気づかないうちに貧血が進行しており、健康診断などで異常を指摘され、消化管のチェックをしたところ、胃がんがみつかることもあるのです。また、排便についても、通常の便と比べて黒っぽいものが出るようなことが続く際には、早めに消化器内科を受診しましょう。