70歳まで働いたら年金受給額はいくら増えるかシミュレーション
【60歳・65歳・70歳】年齢別の保険料と受給額シミュレーション
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年の厚生年金の平均受給額は14万3973円でした。 また、厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」によると日本人の平均寿命は男性で81.09歳、女性で87.14歳です。 繰上げ受給や繰下げ受給しない場合は毎月14万円程度を受け取り、80歳まで生きることを前提に、繰上げする場合と繰下げする場合で年齢別のシミュレーションをチェックしていきます。 ●65歳で通常通り受給した場合 まずは、繰上げ受給や繰下げ受給をせず、65歳で通常通り年金の受給を始めた場合を見ていきましょう。 80歳までに受け取れる年金の総額は以下の通りです。 14万円✕12ヶ月✕15年=2520万円 ●60歳で繰上げ受給した場合 次に、60歳で繰上げ受給した場合を見ていきましょう。 60歳で繰上げ受給する場合、1962年4月2日以降生まれの方は、24%減額されることとなっています。 このため、毎月受け取れる額は14万円✕(100%-24%)=10万6400円です。 また、上記年金額を80歳まで受け取った場合の平均受給額は以下のようになります。 10万6400円✕12ヶ月✕20年間=2553万6000円 ●70歳まで繰下げ受給した場合 最後に、70歳で繰下げ受給した場合を見ていきます。 70歳で繰下げ受給する場合、増額される割合は42%です。 このため、毎月受け取れる額は14万円✕(100%+42%)=19万8800円となります。 また、上記年金額を80歳まで受け取った場合の平均受給額は以下の通りです。 19万8800円✕12ヶ月✕10年間=2385万6000円 80歳まで生きることを前提に、通常通り受け取るケースと60歳で繰上げ受給する場合、70歳まで繰下げ受給する場合の年金総額をシミュレーションしました。 結果的に、60歳で繰上げ受給するケースが最も多くなることが分かりました。 しかし、平均寿命87歳である女性の場合、例えば90歳まで生きた場合には、受け取れる年金総額は以下のようになります。 ・60歳で繰上げ受給:10万6400円✕12ヶ月✕30年間=3830万4000円 ・65歳で通常通り受給:14万円✕12ヶ月✕25年=4200万円 ・70歳まで繰下げ受給:19万8800円✕12ヶ月✕20年間=4771万2000円 上記通り、長生きすればするほど、遅く繰下げ受給した方がお得になることが分かります。